コーヒー豆の輸出てこに、日本からの輸入ビジネスも視野

(エチオピア)

アディスアベバ発

2021年08月11日

外貨不足に悩まされるエチオピアでは、農産品などの輸出で得た外貨を使って、国内向けの資機材や消費財を輸入販売するビジネスがよくみられる。そうした企業の1社で、日本市場への進出を検討しているダビット・アベルハム・キダネ総合貿易(DAK General Trading)に聞いた(6月2日)。

(問)企業概要について。

(答)2011年に設立した地場資本の会社で、有機栽培されたコーヒー豆や油糧種子、豆類を輸出し、外国からは機械・機器を輸入している。従業員は50人で、年間売り上げは125万ドル規模だ。主な輸出先はアラブ首長国連邦(UAE)、インドネシア、ケニア、パキスタン、中国だ。会社設立前にも輸入ビジネスを手掛けていたが、外貨不足が商売を拡大する上での足かせとなり、輸出事業にも参入するようになった。

(問)取り扱い製品は。

(答)輸出はコーヒー豆に注力している。コーヒー豆は異なる産地を扱う。水洗後に天日乾燥した各産地の豆はそれぞれに味わいがある。イルガチェフ(花を思わせる風味)、ハラル(モカ・ハラールとして有名)、リム(ワインのような風味)、シダモ(甘くスパイシー)、ジムハ(ワインのような風味)、レケムプティ(果実のような風味)、カファ(コーヒーの木の発祥として有名)、グジといった産地だ。ゴマや各種の豆類も取り扱っており、2,000トン以上を扱った実績がある。輸入では、インドネシアのタイヤブランドであるアクセレラの正規販売店を務めている。

(問)会社の強みは。

(答)イルガチェフ地区では自社コーヒー農園を持っている。小中規模の農家や生産者組合とも良好な関係を築いており、彼らが生産する豆の国外販売代理権を得ているため、一次産品取引所を通さずに直販が可能だ。生産者支援として、天日乾燥用の架台や網を供給するなどにも取り組んでいる。また、高品質なコーヒー豆も強みの1つだ。

(問)日本市場に求めることは。

(答)まず日本にコーヒー豆を販売したい。輸入ではタイヤ以外に蓄電池や家電製品、印刷用紙や文房具、各種の原材料・化成品、セラミック製品などを扱っているが、業容拡大に向けて日本企業との関係構築を図りたい。特に、プラスチック生地や農業機械・機器には関心がある。コーヒー豆関連機器にも関心があり、品質や効率を高められるような焙煎(ばいせん)機などの輸入には興味がある。

(メセレット・アベベ)

(エチオピア)

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