エジプト発スタートアップのスエフル、米国ナスダック上場へ

(エジプト、アラブ首長国連邦、米国)

カイロ発

2021年08月20日

2017年にエジプトで起業し、2020年にアラブ首長国連邦(UAE)のドバイに本社を移したスエフル(Swvl)は、特別目的買収会社(SPAC)との合弁により、米国株式市場ナスダックへ上場する予定を7月28日に公表した。SPACとしてクイーンズ・ギャンビット・グロース・キャピタル(GMBT)がスエフルを買収するかたちで上場することに最終合意している。7月時点の評価額は約15億ドルとなり、エジプト発では2社目のユニコーン(10億ドル以上の評価額のスタートアップ)となった。

スエフルは、バスやバンなど大量輸送のライドシェアリングサービスを提供しており、通勤や通学といった定期便などのオンライン手配を実現している。エジプトではウーバー(Uber)やカリーム(Careem)などの乗用車のライドシェア、タクシーも利用できるが、スエフルは乗車料金がより安いバスやバンのライドシェアとして普及した。同社が事業を開始したカイロ県やギザ県など都市部の人口は過密な一方、地下鉄などの公共交通機関が未整備であり、既に小型のバスやバンなどが乗り合いバスとして利用されていたことも普及の背景として挙げられる。

サウジアラビアやヨルダン、UAEなど近隣諸国のほか、公共交通機関が未整備で人口の多いパキスタンやケニアなど新興国の都市部にも進出している。これまで140万人に乗客に対し、4,600万回以上のサービスを提供してきた。2020年の収益は2,600万ドルだったが、2021年は7,900万ドルの収益を見込んでいる。上場を通じた資金調達により、ブラジル、メキシコ、イタリア、スペインなどでサービスを提供する見込みだ。また、欧州のライドシェア企業の買収による国際的な拡大も計画している。

ドバイを本社としているが、アフリカ発スタートアップでは2021年に入り初めての新規株式上場(IPO)となった。また、エジプトのスタートアップとしては、2019年のフィンテック、ファウリー(Fawry)のエジプト株式市場上場に続く2社目のIPOとなる。近年、エジプトでは起業が盛んになっており、2020年以降、新型コロナウイルス感染下での事業デジタル化も背景に、スタートアップ企業への出資が相次いでいる(2021年6月18日記事2021年7月29日記事参照)。

(井澤壌士)

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