オリンパス、内視鏡AI診断システム普及に向け医師の育成を支援

(タイ)

バンコク発

2021年08月03日

オリンパスは7月21日に日本の総務省のプロジェクトに参画し、タイの内視鏡医の育成支援を行うと発表した(同社プレスリリースPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))。同社は、タイ消化器内視鏡学会(TAGE)などの医療関係機関の協力を得て、タイにおける内視鏡AI(人工知能)診断支援システムの有用性や普及可能性の実証調査を行うとしている。

ジェトロが7月29日にオリンパス担当者にヒアリングしたところ、タイでは大腸がんの罹患(りかん)数が近年、増加傾向にあり、がん全体の中でも高い罹患率となっている〔世界保健機関(WHOPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))参照〕。日本ではタイとは違い、大腸がんに加え、胃がん患者も多いため、日本とは異なるニーズがある(WHOPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)参照)。大腸がん患者は欧米諸国を含め全世界的に多いため、タイにおいても大腸がんの診断・治療へのニーズをおさえる必要があるとのことだ。

また、内視鏡医の育成には多くの時間と経験が必要となる中、タイでは内視鏡の診断と治療に必要な高い知識や技術を有する医師の数はまだ不足している。AIのサポートを得ることで、従来よりも医師の育成がスムーズに進むことが期待される、と担当者は語っている。

同社がタイで展開をする内視鏡AI診断は、AIが内視鏡から取得した画像を解析し、医師の疾患発見を補助し、さらに将来、大腸がんになる可能性がある腫瘍かどうかの判断をサポートする。同社が取り扱う内視鏡AI診断支援システムは、2021年からタイでの販売を開始している。

(平林拓朗)

(タイ)

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