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政府が国家水素戦略を承認

(チェコ)

プラハ発

2021年08月02日

チェコ政府は7月26日、産業貿易省が草案を作成し16日に発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますしていた「国家水素戦略」を承認外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。2050年までの気候中立実現を目指すEUの「欧州の気候中立に向けた水素戦略」(2020年7月10日記事参照)を基盤に、温室効果ガス(GHG)の排出量削減と、水素技術への移行過程におけるチェコの産業競争力の維持を目的としている。

同戦略は(1)低炭素水素の製造、(2)低炭素水素の利用、(3)水素の輸送と貯蔵、(4)水素関連技術の開発の4本柱で構成されている。概要は以下のとおり。

(1)国内で現在採用されている水素製造法は二酸化炭素(CO2)を大量に排出することから、再生可能エネルギー源を利用した低炭素水素製造を当面の優先事項とする。

(2)低炭素水素は製造コストが高いことから、経済効率性と市場可能性が高い部門を特定する。輸送部門では乗用車、バス、トラックでの利用、産業部門では既に利用されている化学工業(石油精製など)での継続利用や電力消費量の多い産業(鉄鋼、エネルギー部門など)での利用が有望。

(3)水素の輸入と国内輸送の効率的な手段として、ガス導管網を利用する。

(4)チェコには機械産業が集積している強みを生かし、水素製造設備および部品の開発に取り組む。

また、EUの戦略と同様に、開発段階を3つに分類している。

第1段階(2021~2025年):

  • 輸送部門での利用を優先。特に短距離バスあるいはトラックへの水素利用を促進
  • 水素自動車生産技術の開発、地方自治体や企業による水素自動車の購入、関連インフラ整備の支援(2030年ごろまで継続)
  • 再生可能エネルギーを利用した低炭素水素製造法の開発
  • ガス導管への混合による水素供給法のテスト開始

第2段階(2026~2030年):

  • 産業利用の実証実験の開始
  • 電解施設に直結した大規模な太陽光・風力発電所の建設
  • 水素導管の建設の計画開始
  • 家庭への水素供給のテスト開始
  • 水素自動車の国内本格生産開始

第3段階(2031~2050年):

  • 水素モビリティーの補助金なしでの運用
  • 水素導管の建設開始
  • 産業利用の商業化開始
  • 家庭で天然ガスの代わりに水素を使用する実証実験開始

同戦略では、チェコの低炭素水素の消費量が2050年には172万8,000トンに拡大すると見込んでいる。このうち約50%が運輸部門の利用によるもので、水素を燃料とする乗用車の台数は60万台に達するとしている。

産業貿易省は水素関連技術の開発支援に当たっては、EUのオペレーション・プログラムや国家環境基金プログラムなど既存の制度を活用するとしている。

(中川圭子)

(チェコ)

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