2021年上半期の国境貿易が31.2%増、対中国・マレーシアが増大

(タイ)

バンコク発

2021年08月23日

タイ商務省外国貿易局(DFT)は7月26日、2021年上半期(1~6月)の国境貿易が前年同期比31.2%増の8,231億7,200万バーツ(約2兆7,165億円、1バーツ=約3.3円)に上ったことを発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。輸出は37.2%増の5,009億4,900万バーツ、輸入は22.9%増の3,222億2,300万バーツとなり、国境を通じた貿易黒字は1,787億2,600万バーツに上った。

タイが国境を接するマレーシア、カンボジア、ラオス、ミャンマーとの隣国貿易は、輸出は前年同期比24.7%増の2,734億6,600万バーツとなった。特に、ゴムや乗用車の伸びが50%前後になっている。輸入については、13.1%増の1,709億5,000万バーツとなった。磁気テープや穀物が大きく増加している(添付資料表1、2参照)。

隣国を経由した中国、シンガポール、ベトナムとのトランジット貿易については、輸出は前年同期比50.4%増の1,460億8,100万バーツと拡大した。特に、果物やコンピュータ・同付属品が拡大した。3カ国からの輸入は44.0%増の1,213億6,900万バーツで、ラジオ・電話受信機や化学製品などが大幅に増加している(添付資料表3、4参照)。

国境貿易を国別にみると、中国(前年同期比60.4%増、1,761億4,600万バーツ)、マレーシア(45.6%増、1,593億2,300万バーツ)、シンガポール(35.8%増、888億5,300万バーツ)などが急速に拡大している。中国とのトランジット貿易は、輸出が65.7%増の974億9,400万バーツ、輸入が54.3%増の786億5,200万バーツと、輸出入とも増加した。ラオスとの国境であるムクダハン(ラオス側:サワンナケート)を通じた貿易が45.5%、ナコンパノム(同:タケーク)が23.8%を占める。主な輸出品目は果物、輸入ではコンピュータ・同部品や通信機器などが多い。

マレーシアとの国境貿易は、輸出が前年同期比64.6%増の864億9,900万バーツ、輸入が28.0%増の728億2,400万バーツとなった。昨今の海上運賃の上昇により、タイ~マレーシア間での陸送は特に重要性が増しており、日系企業からジェトロへの関連問い合わせも増えている。国境としては、サダオ(マレーシア側:ケダ州)が81.0%、パダンベサール(同:ペルリス州)が16.5%と2カ所でほぼ100%を占め、いずれもマレー半島西岸に通じる。主な品目は、輸出ではゴムやコンピュータ・同部品、輸入では磁気テープ・ディスクなど。

シンガポールとのトランジット貿易は、マレーシアと同様にサダオやパダンベサールを通じた貿易が多く、輸出は前年同期比50.7%増の566億3,600万バーツ、輸入は26.4%増の322億1,700万バーツとなった。

(北見創、シリンポーン・パックピンペット)

(タイ)

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