上半期の中国の対米輸入、前年同期比55.9%増、穀物とエネルギー輸入が大幅増

(中国、米国)

中国北アジア課

2021年08月17日

中国の2021年上半期の米国からの輸入額は、ジェトロがグローバル・トレード・アトラスを基にこのほどまとめたところ、前年同期比55.9%増の879億4,048万ドルだった。追加関税発動前の2017年上半期の720億9,583億ドルも上回り、前年同期との比較では2020年下半期から2桁の伸びが続いている(添付資料図参照)。中国の輸入額に占める米国のシェアと順位は2020年下半期と変わらず、それぞれ7.0%、4位だった。

輸入品目の上位15品目(HSコード6桁ベース)を前年同期比で見ると、15品目全てが増加し、14位までの品目はいずれも2桁増となった。中でも、穀物(大豆、トウモロコシ、グレイン・ソルガム)とエネルギー(石油、液化プロパンガス、天然ガス)の伸びが大きかった。追加関税発動前の2017年上半期との比較でも、自動車と飛行機を除く13品目が増加した。

上位15品目のうち、9品目(大豆、乗用自動車、石油、トウモロコシ、液化プロパンガス、天然ガス、グレイン・ソルガム、実綿、美容用調製品)が追加関税の対象だったが、いずれも既に適用除外(市場化買い付け措置)となっている。適用除外措置は2021年2月に65品目が期限切れとなったが、その他は2021年9月もしくは12月まで期限が延長されており、市場化買い付け措置の対象の696品目を含めると、2021年上半期は多くが継続された。

穀物の輸入が増えたのは、豚の飼料用の需要が増加しているためだ。2018年から中国ではASF(アフリカ豚熱)ウイルスが流行し、豚肉生産が落ち込んだが、2020年後半からの生産回復に伴い、飼料用穀物の需要が伸びている。

1位の大豆については、前年同期比2.8倍になった。中国の大豆輸入は米国とブラジル2カ国で約90%を占める。2021年1~3月は降雨により収穫が遅れたブラジル産大豆の輸入分を補うかたちで米国産の輸入が急増し、中国の大豆輸入の9割を米国産の輸入が占めるまでになっていた。4月以降はブラジルからの輸入が急回復して米国産の輸入額を上回り、米国産の輸入額は月を追うごとに減少している。

5位のトウモロコシは前年同期比167倍と急増した。中国はこれまで主にウクライナから輸入してきたが、ウクライナでトウモロコシの生育期の2020年夏季に干ばつとなったために、生産量が減少。代替先として米国からの輸入が伸びた。10位のグレイン・ソルガム(ソルガムキビ)は、輸入に占める米国のシェアは9割を超え、2020年後半からの伸びが著しい。

エネルギー関連品目に関しては、新型コロナウイルス感染拡大の影響で2020年に落ち込んだ価格が回復していることや、前年同期の中国の輸入量が少なかったこと、2020年2月以降は追加関税の適用除外(市場化買い付け措置)の対象となったことなどから、大きく伸びた。

4位の石油では、2021年上半期のWTI原油価格が1バレル37ドルに落ち込んだ前年同期から、同62ドルと1.7倍になり、コロナ禍前の水準を回復している。また、追加関税措置の影響などによって前年同期の米国からの輸入がほぼストップしていたため基数が低く、13.5倍という高い伸びとなった。6位の液化プロパンガスについても同様、価格の回復と基数の低さから3.8倍の伸びとなった。8位の天然ガスは、上記の要因に加え、二酸化炭素(CO2)の排出量削減のため、石油よりもCO2排出量が少ない天然ガスの需要が高まっていることもあり、6.1倍となった。

米中間の主な協議としては、劉鶴副首相が5月27日に米通商代表部(USTR)のタイ代表、6月2日にイエレン財務長官とそれぞれ電話協議を行ったほか、6月10日には王文濤商務部長と米国のジーナ・レモンド商務長官との電話協議が行われたが、商務部の高峰報道官は協議の具体的な内容に言及はせず、さらなる情報があれば適時に発表すると答えるにとどめた。

(江田真由美)

(中国、米国)

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