中銀、政策金利を据え置き、2021年と2022年の経済見通しを下方修正

(タイ)

バンコク発

2021年08月05日

タイ中央銀行(BOT)は8月4日、金融政策委員会を開催し、政策金利を現状の0.50%に据え置くと発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した(賛成4、反対2、棄権1)。政策金利の据え置きは10会合連続となった。

BOTの発表によると、タイ経済は新型コロナウイルス感染第3波の影響を想定以上に受けており、今後も大きな下振れリスクとなる。タイ経済にとって重要な事項は、ワクチン接種を加速させ、経済の回復を支援すること。そのためには、ターゲットを絞った金融・財政措置を講じることが重要との見解を示し、政策金利の維持を決定した。

さらに、BOTは2021年と2022年の経済見通しを下方修正した。2021年のGDP成長率予測を6月時点の1.8%から0.7%に、2022年については同3.9%から3.7%に、それぞれ下方修正した。その要因は、個人消費の弱い動きや、サービス部門や自営業者などの脆弱(ぜいじゃく)性、外国人観光客数の減少などによるものだ。なお、政府の財政支援や輸出の改善など経済の支援材料についても言及している。

金融政策委員会は今後の見通しについて、政府の各種財政措置や政府関係機関の緊密な連携が景気回復のために重要な役割を果たすとし、中銀も必要に応じたさらなる金融緩和の実行可能性について言及している。

(岡本泰)

(タイ)

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