山東省内最大級の日中間経済交流イベント「対話山東」開催

(中国)

青島発

2021年08月20日

中国の山東省人民政府と、中国国際貿易促進委員会(CCPIT)、ジェトロが共催する省内最大規模の日中間経済交流イベントの第2回「対話山東-日本・山東産業協力交流会」が8月13日に開催された。日本と山東省の政府・経済界関係者がオンラインで参加した。

2020年はオンラインとオフライン併用で行ったが、今回は直近の中国国内での新型コロナウイルス再流行も踏まえ、急きょオンラインのみでの開催となった。オンライン視聴者は7万人を超え、前年の2万8,000人を大幅に上回った。

会議には山東省共産党委員会の劉家義書記、李幹傑省長も出席した。冒頭、江島潔経済産業副大臣、垂秀夫駐中国大使、村岡嗣政山口県知事、伊澤正日中経済協会理事長などによるビデオメッセージが紹介され、ジェトロの佐々木伸彦理事長もオンラインで登壇しあいさつした。

会議では、日中双方の経済専門家による山東省と日本との提携トレンドについて分析・講演が行われた。中国側講師の黄少安山東大学経済研究院院長は、農林水産業分野での連携・補完の可能性について言及した上で、日本のシルバー産業の多面性・多層性や医薬製造業における日本の強みである規模・研究開発・市場ニーズ分析などについて山東省側は学ぶべきと述べた。

日本側講師の瀬口清之キヤノングローバル戦略研究所研究主幹は、山東省の日系企業は主に低賃金労働力を活用した輸出主導型モデルによるものが多いが、中国の賃金の大幅上昇や、内需の急速な拡大、消費者ニーズの高度化などが進む中で、このモデルの収益力低下が不可避と指摘した上で、中国国内市場重視の姿勢への転換、製品の高付加価値化、技術力重視の人材確保が必要と述べた。さらに、有力産業分野として新インフラ建設、グリーン産業、ヘルスケアを挙げた。

併催イベントとして「中日エコ産業マッチング会」と「山東省都経済圏(済南市、淄博市、泰安市、聊城市、徳州市、浜州市、東営市)PRセミナー・マッチング会」が開催された。今後も関連の商談会イベントなどが11月まで継続的に行われる。

(朱秀霞)

(中国)

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