北朝鮮の2020年貿易額、前年比73.4%減

(韓国、北朝鮮)

ソウル発

2021年08月12日

韓国の大韓貿易投資振興公社(KOTRA)は7月29日、北朝鮮の2020年の貿易額が前年比73.4%減の8億6,300万ドルと推計した(添付資料表1参照)。輸出入とも前年に比べて急減し、貿易収支は引き続き大幅な赤字(6億8,400万ドル)を記録した。

KOTRA関係者は「新型コロナウイルスの影響による中朝国境封鎖により中国との貿易が急減し、軽工業品の取引も鈍化した」と分析した。

国別でみると、最大の貿易相手国である中国との貿易額は75.4%減の7億6,080万ドルとなった。貿易総額に占めるシェアは88.2%で、前年(95.4%)を下回ったが、中国への依存度は依然として高い(添付資料表2参照)。中国に次いで、ロシア、ベトナム、インド、ナイジェリアの順で貿易額が多かった。その他、モザンビーク、タンザニア、ガーナといったアフリカ諸国とタイが上位に入ったが、いずれも貿易総額に占めるシェアは1%未満だった。なお、日本については、日本政府の独自制裁により2009年以降、貿易実績はない。

品目別にみると、主な輸出品目である鉱物性生産品(45.8%減)や繊維製品(38.8減)、履物・帽子(92.2%減)、鉄鋼および金属製品(55.9%減)、時計およびその部分品(86.3%減)などほぼ全て大幅に減少した(添付資料表3参照)。

輸入は、油脂および調製食品(55.5%減)や化学工業製品(70.9%減)、プラスチックおよびその製品(86.9%減)、繊維製品(90.9%減)など、ほとんどの品目が大幅減となった。最大の輸入品目は鉱物性燃料(貿易総額の30.9%)で、中国からの原油輸入推定額(2億2,000万ドル、約52万5,000トン)が含まれている。ちなみに、原油輸入額については、2014年から中国の海関統計では「ゼロ」となっているが、KOTRAでは別途、中国からの原油輸入額を推定している。

〔李丙鎬(イ・ビョンホ)〕

(韓国、北朝鮮)

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