第1四半期の外国直接投資申請額は前年同期比2.4倍

(タイ)

バンコク発

2021年05月26日

タイ投資委員会(BOI)は5月20日、2021年第1四半期(1~3月)のタイへの外国直接投資統計を公表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。申請ベースでは、投資額が前年同期比2.4倍の620億バーツ(約2,108億円、1バーツ=約3.4円)、投資件数が17.3%減の191件となった(添付資料表1参照)。

国・地域別にみると、韓国は大型医療用ゴム手袋の投資案件があったため、前年同期比18.8倍の105億バーツとなり、シェア16.9%を占めて首位となった。中国は73.2%増の104億バーツとなり、シェア16.7%の2位になった。日本は33.3%減の42億バーツで、前年同期は首位だったが、当期は6位となった。

認可ベースでは、投資額が前年同期比10.7%減の625億バーツ、投資件数が24.9%減の208件となった(添付資料表2参照)。国・地域別にみると、日本は13.8%減の144億バーツで、シェア23.1%を占めて首位だった。中国は51.9%減の142億バーツで、シェア22.6%の2位だった。

日本の大型案件としては、石油化学品製造(31億バーツ)、微生物/動物/植物の細胞を使用した分子生物学、生物学的活性物質の研究開発・製造(20億バーツ)、輸送機器用ボールベアリング製造(17億バーツ)などがあった。中国は、タイヤ製造(73億バーツ)、太陽光機器・同部品製造(40億バーツ)などがあった。3位の韓国は、医療機器製造(100億バーツ)などがあった。

タイ政府が産業高度化を目指す「タイランド4.0」においてターゲット産業とする12分野の投資状況をみると、タイ資本も含めた投資申請ベースでは医療が大きく伸びた(115.2倍、184億バーツ)。また、自動システム・ロボット(30.0倍、6,000万バーツ)、石油化学・化学(3.0倍、69億バーツ)、自動車・同部品(3.8倍、85億バーツ)、電気電子・エレクトロニクス(64.1%増、174億バーツ)も大きく伸びた(添付資料表3~6参照、2021年2月16日記事参照)。

ドゥアンチャイ・アサワチンタチットBOI長官は、新型コロナウイルスによる感染拡大が医療用品の需要増・投資拡大につながり、在宅勤務による電気電子・エレクトロニクス製品の需要増が同産業の拡大要因となったと語った。

(高谷浩一、トンワニッチャノッパクン・ニチャーパッタラ)

(タイ)

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