アリエクスプレスが越境EC決済への中銀PIX導入で一番乗り

(ブラジル、中国)

サンパウロ発

2021年08月18日

業界情報サイト「Eコマースブラジル」は8月3日、アリババが運営する越境ECサイト「アリエクスプレス(Aliexpress)」が、ブラジル中央銀行が開発した即時決済システム「ピックス(PIX)」(2020年12月1日記事参照)を新たな決済手段として導入した、と報じた。海外発の越境ECサイトで初めてPIXが導入された事例だと紹介している。実際に、筆者がブラジルから「アリエクスプレス」の商品購入決済画面に進んだところ、PIXで決済できることが確認できた。

画像 アリエクスプレスの商品購入決済画面(8月3日、ジェトロ撮影)

アリエクスプレスの商品購入決済画面(8月3日、ジェトロ撮影)

「Eコマースブラジル」は7月29日、プラットフォーマーにとってのPIX導入メリットとして、以下の4点を挙げている。

  1. 迅速な決済と納期の短縮が可能
  2. クレジットカードなどを保有していない顧客層へのアプローチが可能
  3. 国内で急増しているPIX利用者層へのアプローチが可能
  4. 中銀による安全性の高いセキュリティ

具体的には、以下のとおり。

「1.迅速な決済と納期の短縮が可能」

PIXの決済は約10秒で完了する。従来、クレジットやデビットカードを持っていない人にとっての決済手段はブラジル独自の支払い伝票(ボレット・バンカリオ)が主流で、これは伝票の起票作業や金融機関による支払い伝票の内容確認などに時間を要することから、決済が完了するまでに最大3営業日かかるものだった。PIXによる決済で時間が短縮され、販売者は、支払い確認ができるまで商品を保管する必要がなくなり、結果的に納期の短縮、保管費用の軽減につながる。

「2.クレジットカードなどを保有していない顧客層へのアプローチが可能」

商品購入の際はアリババから発行されるQRコードで、スマートフォンなどを介して決済手続きを行うことができる。PIX利用には銀行口座情報を登録するため、銀行口座を保有していれば、クレジットカードやデビットカードを保有していなくても代金支払いが可能だ。

「3.国内で急増しているPIX利用者層へのアプローチが可能」

2021年7月時点で中銀のデータベースに登録されているPIXユーザーは1億282万人。2020年11月のサービス開始から1年足らずで利用登録者数が急増しており、主要な決済手段の1つになりつつある。

「4.中銀による安全性の高いセキュリティ」

中銀のPIXにおいて、一度詐欺が行われた口座を各金融機関に通知する仕組み、疑わしい取引を不正防止機能で一時的に分析プロセスを適応する仕組み、などがある。誘拐事件などPIX送金を強要する事件にPIXが使用された場合なども、その口座の特定が可能。

8月3日付の「Eコマースブラジル」によれば、ブラジルのアリエクスプレスでカントリーマネージャーを務めるヤン・ディ氏は「ブラジル人向けに商品価格を安価に抑えるほか、ユーザーの利便性を高めるイノベーションを導入する必要がある。それは優れたロジスティクス、販売後のケア、そして便利な決済手段だ」とコメントしている。

(古木勇生)

(ブラジル、中国)

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