7月のインフレ率は微増、中銀は金融緩和継続

(ケニア)

ナイロビ発

2021年08月05日

ケニア国家統計局(KNBS)は7月30日、7月のインフレ率は前月を0.12ポイント上回る6.44%、消費者物価指数(CPI、2019年=100)は115.3だったと発表した。

KNBSが発表したCPIレポート(2021年7月分)によると、前年同月比で最もCPIの上昇が大きいのは輸送費(10.3%増)、次いで、食品・ノンアルコール飲料(8.8%増)、水道光熱費・その他燃料(6.0%増)だった。内訳をみると、食品では主に食用油(32.7%増)、副菜として頻繁に食卓に上がるキャベツ(16.4%増)やケール(8.4%増)、食パン(8.9%増)などが特に高い。輸入品目価格の高騰が原因だ。また、輸送費と水道光熱費を圧迫しているのは、家庭用熱源として利用されるケロシン(48.7%増)やガソリン(26.2%増)、ディーゼル(17.0%増)で、国際的な原油価格の高騰を背景としている。

この発表に先立つ28日に開催された金融政策委員会では、ケニア中央銀行(CBK)が公定歩合を現行の7%で維持することを決定した。新型コロナウイルス感染拡大の影響とワクチンの普及状況に鑑み、引き続き金融緩和策を継続する方針で、物価は上昇傾向が続くとみられる。ただし、ケニアの金融政策委員会のプレスリリースによると、同委員会は、新型コロナウイルスによりモノの需要が高まっていないことから、インフレ率は想定の範囲内に収まると予想している。

CPIは2020年9月以降、緩やかに上昇を続けている。新型コロナウイルス拡大前の2020年ごろから段階的な金融緩和を進めていたCBKは、4月29日に公定歩合をそれまでの7.25%から、2011年以来の水準となる7%に引き下げ、さらなる緩和策を取っていた。

(久保唯香)

(ケニア)

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