国会議員予備選、与野党内の各勢力の綱引き続く

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2021年08月19日

アルゼンチンで9月12日に行われる国会議員予備選挙(PASO)に向けて、与党連合「全国民のための戦線」は候補者リスト提出締め切りの7月24日、上院で8州のうち5州、下院では特に重要なブエノスアイレス市、ブエノスアイレス州で統一リストを提出した(2021年8月17日記事参照)。野党連合「変革のために共に」は多くの州で候補者リストを統一できなかった。

与野党の候補者リスト詳細は以下のとおり。

与党連合は、アルベルト・フェルナンデス大統領、クリスティーナ・フェルナンデス・デ・キルチネル副大統領(キルチネル派)、セルヒオ・マッサ下院議長が率いる3つのグループが勢力を争っているが、「負けのシナリオ」を避けることを優先し、多くの州で候補者リストを統一することに成功した。

野党連合は、かつてはマクリ前大統領をリーダーに連合を形成したが、現在は与党との対決姿勢を取るマクリ前大統領、パトリシア・ブルリッチ共和国提案(PRO)党首と対話姿勢を取るマリア・エウヘニア・ビダル前ブエノスアイレス州知事、オラシオ・ロドリゲス・ラレッタ現ブエノスアイレス市長と、複数のリーダーが並立している。また、野党連合を構成するPRO、急進市民同盟(UCR)、市民連合(CC-ARI)の3つの政党のうち、マクリ前大統領が立ち上げたPROが第1党だが、アルゼンチンで最古の政党の1つで国家主義的なUCRが勢力拡大を目指しており、野党連合から複数の候補者リストが提出されるに至った。

ブエノスアイレス市では、野党連合の勝利が既定路線で、野党連合の中のどの勢力が勝利するかが焦点となる。ブエノスアイレス市のラレッタ市長が支持するビダル前ブエノスアイレス州知事を筆頭としたリストが優勢とみられる。さらに重要なのはブエノスアイレス州だ。与党連合のブエノスアイレス州の候補者リストは、筆頭のビクトリア・トロサ・パス候補がフェルナンデス大統領に近い人物だが、リスト全体ではキルチネル派の候補者が多い。野党連合はブエノスアイレス市副市長のディエゴ・サンティリ候補を筆頭としてリストに加え、UCRが神経学者のファクンド・マネ候補を筆頭としたリストを提出した。

野党連合内の争いは2023年の大統領選挙を見据えた動きでもある。PASOに向けて与野党それぞれの内部の動きに注目が集まる。

写真 野党連合のビダル候補を前面に押し出した選挙ポスター(ジェトロ撮影)

野党連合のビダル候補を前面に押し出した選挙ポスター(ジェトロ撮影)

(西澤裕介)

(アルゼンチン)

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