中国小売100強企業リストを公表、EC企業の伸びが顕著

(中国)

上海発

2021年08月10日

中国では、新型コロナウイルス感染症「デルタ株」による感染拡大が深刻化している(2021年8月6日記事参照)。各地で移動制限措置が取られ、今後国内消費が落ち込む可能性がある。そうした中、中国商業聯合会(CGCC)と中華全国商業信息センター(CNCIC)は7月6日、例年より2カ月前倒しで、「2020年度中国小売100強企業リスト」(以下、リスト)を発表した。2020年は新型コロナウイルスの感染拡大による影響はあったが、中国小売100強企業(以下、100強企業)の総売上高は前年比19.8%増の10兆3,000億元(約164兆8,000億円、1元=約16円)とプラス成長し、社会消費品小売総額(39兆1,981億元)に占める割合も前年より5.4ポイント上昇の26.3%となった。

100強企業のうち、販売額が1,000億元以上の企業は8社だった。内訳は、天猫(3兆2,020億元)、京東(2兆6,000億元)、拼多多(1兆6,676億元)、蘇寧易購集団(4,163億元)、大商集団(3,289億元)、唯品会(1,650億元)、国美零售(1,408億元)、永輝超市(1,045億元)だった(添付資料表1参照)。

上位20社のうち、天猫、京東、拼多多など、EC企業の成長が顕著だった。6位の唯品会の売り上げは前年比77%増の1,650億元で、100強のうち、最も高い成長率を記録した。また、2019年5月に米国で上場した会員制のEC企業である雲集が19位にランクインした。これらEC企業5社の売上高は合計で7兆6,705億元となり、100強企業の総売上高の約75%を占めた。

100強企業にランクインした日系企業をみると、永旺(中国)投資(イオン)が32位(247億元)、中国全家(ファミリーマート)が54位(94億元)、柒一拾壱(中国)投資(セブン-イレブン)が66位(72億元)、羅森(中国)投資(ローソン)が74位(65億元)、成都伊藤洋華堂(イトーヨーカドー)が81位(55億元)だった(添付資料表2参照)。2020年の販売額は、前年比で減少している企業が多かった。中華全国商業信息センターによれば、2020年の実店舗の小売額は8.8%減となり、新型コロナ感染拡大期における外出自粛の影響が売り上げの減少につながったとみられる。

(王艶)

(中国)

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