上海市で防疫体制を強化、展示会延期も

(中国)

上海発

2021年08月06日

上海市は8月3日、浦東国際空港で新型コロナウイルスの新規感染が1件確認されたと発表した。2021年1月21日~2月4日に国内感染が確認されて以降、同市のこれまでの感染事例は国外からの輸入症例に限られていたが、今回は半年ぶりの国内感染症例となった。

新規感染者は上海浦東国際空港の貨物取り扱いエリアで働く職員だったことから、当該職員が居住する浦東新区川沙新鎮華夏二路1500弄心圓西苑小区が中リスク地域に指定された。

これに加え、江蘇省南京市で7月20日以降に確認された新規感染が同省内各地などに拡大する状況もあり(202186日記事参照)、上海市は防疫対策を強化している。市当局は7月29日、国内の高リスク地域から上海市を訪れる人には一律14日間の集中隔離と2回のPCR検査を実施するとし、中リスク地域から訪れる人には一律14日間のコミュニティーでの健康観察と2回のPCR検査を実施すると発表した。上海市衛生健康委員会は8月3日、不必要に上海を離れたり、国外や国内の中高リスク地域に行ったりすることのないよう、市民に呼び掛けた。市文化観光局は4日、観光地や劇場、ホテル、ネットカフェなどでの防疫対策を強化する通知を発表。観光地では入場に当たっては事前の予約と、混雑時間を避けての利用、人数の制限、体温検査、健康コードの提示、登記等の要求を順守するよう求めた。

展示会の開催などに関しては、上海市当局から特段の制限などは発表されていないが、8月に開催予定だった幾つかの展示会の延期が発表された。5~7日に開催予定の上海国際航空機製造技術および工程展覧会、6~8日の中国国際塗料博覧会、11~14日の上海国際紙製造科学展覧会、18~22日のアジアペット展覧会、8月25~27日のインターテキスタイル上海などは、全て延期となった。

(高橋大輔)

(中国)

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