サンチェス内相が辞任し、上院議長に就任

(メキシコ)

メキシコ発

2021年08月31日

メキシコで8月26日、オルガ・サンチェス・コルデロ氏が内相の職を辞して、休職の扱いとなっていた上院議員に復帰することを大統領と議会に通知した。8月29日には与党・国家再生運動(Morena)の推薦を受けて上院議長に選出され、9月1日から始まる国会会期の上院議長としての宣誓を行った。

オルガ・サンチェス・コルデロ前内相は、1995~2015年に最高裁の判事を務めた法律の専門家で、2018年の総選挙にMorenaから立候補して上院議員に選出された。だが、アンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール(AMLO)大統領の強い要請を受け、メキシコで初となる女性の内相としてAMLO政権の一翼を担った。大統領の信任も厚く、今回の辞任は本人の希望もあったが、与党の国会運営の要として上院に復帰した感が強い。9月1日から開始される新会期に備えて行われた国会上下両院の議長選出において、サンチェス氏はMorenaから推薦され、賛成多数で上院議長に選出された。

内相の後任にはタバスコ州知事を務めていたアダン・ロペス氏が就任

後任の内相には、2019年からタバスコ州知事を務めていたアダン・ロペス・エルナンデス氏が就任した。エルナンデス氏は、AMLO大統領と同郷のタバスコ出身の左派政治家で、州知事に選出されるまでは、タバスコ州議会議員、連邦下院議員、連邦上院議員などを務めてきた。大統領と近い関係にあり、任期6年の州知事の職を途中で辞するかたちで内相に就任した。AMLO政権の要職にはタバスコ州出身の人物が多く、野党などからは大統領の影響力がさらに強まると警戒する声も上がっている。

(中畑貴雄)

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