タミル・ナドゥ州、1,714億ルピー・5万人超雇用の35の覚書を企業と締結

(インド)

チェンナイ発

2021年08月02日

インド南部タミル・ナドゥ(TN)州は7月20日、企業と35の覚書を締結し、投資規模は約1,714億ルピー(約2,571億円、1ルピー=約1.5円)、雇用規模は約5万5,000人と発表〔タミル・ナドゥ州公式Twitter投稿(1)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(2)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(3)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(4)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます〕した。同日に開始したプロジェクトなども含めると、総額の投資規模は約2,850億ルピー、雇用規模は約8万3,000人だ。今回の発表を通じて、5月に就任したM・K・スターリン州首相は就任以来の成果を有権者に誇示した格好だ。

覚書のうち、主な締結先とその事業、規模は以下のとおり。

  • JSW エナジー:州内4県(注)に風力発電所を設置、投資規模300億ルピー、雇用規模1,600人
  • ワブコ(スイス):州都チェンナイ近郊に自動車部品工場設立、投資規模180億ルピー、雇用規模5,000人
  • キャピタランド(シンガポール):チェンナイにデータセンター設立、投資規模120億ルピー、雇用規模100人
  • スリバルモータース:コインバットール県に電動二輪車工場設立、投資規模100億ルピー、雇用規模4,500人
  • タタ・コンサルタンシー・サービシズ(TCS):チェンナイ近郊にITセンター設立、投資規模90億ルピー、雇用規模1万5,000人
  • 豊泰企業(フェンテイグループ:台湾):州北部ビルプラム県に靴工場など設立、投資規模90億ルピー、雇用規模1万1,000人(2つの覚書の合計)

スターリン州首相は「目標はTN州を1兆ドル規模経済にすることで、働きやすいビジネス環境を提供する。2030年までの目標は、23兆ルピーの投資を呼び込み、460万人の新規雇用を生み出すことだ」と述べた(「ザ・ヒンドゥー」紙7月21日)。

ビジネスの各種申請・承認手続きをより円滑にするシングルウィンドウ2.0のサービス開始も発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。既にオンライン上で1つに統一した対応窓口シングルウィンドウを設置していたが、今回のサービスで、複数手続きの同時進行や当局担当者とのオンライン会議、人工知能(AI)チャットボットによる回答などが可能となり、TN州での円滑なビジネス活動の実施が期待される。

(注)TN州は38の県(英語表記:District)から構成される。

(浜崎翔太)

(インド)

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