タイ政府がバブルアンドシールなどの新たな規制措置を閣議承認

(タイ)

バンコク発

2021年08月20日

タイ政府は8月17日、新型コロナウイルス状況管理センター(CCSA)が8月16日の会議において決定した内容を閣議承認した。

主なポイントは以下のとおり。

1.管理区域の指定:感染状況が改善しないバンコク都を含む29都県を厳格最高管理区域(ダークレッドゾーン)に引き続き指定。期間は2021年8月31日まで。ただし、百貨店内銀行の営業は可。

2.企業や政府機関に対する措置:(1)バンコク都および周辺地域において抗原検査キット(ATK)を使用し症例の発見を強化。(2)厳格最高管理区域内の企業や政府機関に対する措置=原則在宅勤務を継続。出社が必要な者は、毎週ATK検査を実施する。従業員数が50人を超える組織については、企業隔離用のスペースを準備、ATKによる従業員の検査、自主隔離など感染防止システムを検討。(3)厳格最高管理区域内特定の施設に対する措置=従業員が100人を超える工場または事業所は、完全なバブルアンドシール対策(2021年8月4日記事参照)の実施を検討する。(4)死亡者を減らすための措置=バンコク在住の60歳以上の高齢者、7つの基礎疾患、および妊婦の3グループに対しては少なくとも80%、近隣県も含め少なくとも70%をカバーするためワクチン接種を促進。また他県では少なくとも50%をカバーする。加えて、ファビピラビル錠の配布を促進。ATKを安価に販売するなど、一般市民、組織、事業所が新型コロナウイルスへの感染検査を容易に実施できるようにする。関係機関は、既存の規制に沿ったガイドラインを策定し、タイの「コロナパス認証(新型コロナウイルスワクチンの接種証明書)」を共同で開発することを検討する。

3.バブルアンドシール対策:事業所や工場などに対する対策。本システム下において工場などの営業が可能。感染予防および感染の拡大を最小限に抑えることが目的。労働者の住居および職場間輸送にて実施。医療および施設(食品および必需品を含む)管理を実施。

4.ファクトリーサンドボックスプログラム:本プログラムに関心を持つ企業は、労働省と県のガイドラインに準拠することを明記した同意書を提出。対象は、大規模(500人以上の従業員)の輸出関連品目の製造工場(自動車、電子部品、食品、医療機器の4業種で試験的に運用)。実施対象地域は、ノンタブリ、パトゥムタニ、サムットサコーン、チョンブリの4県。

(岡本泰、ナオルンロート・ジラッパパー)

(タイ)

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