新型コロナ対策の厳格最高管理区域を拡大

(タイ)

バンコク発

2021年08月04日

タイ政府の新型コロナウイルス状況管理センター(CCSA)は8月1日、非常事態令第9条に基づく新たな措置(決定第30号)を公表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。同日の官報で公示、3日から発効した。新たな措置は厳格最高管理区域の拡大などを定めており、その理由についてCCSAは、新型コロナウイルス、特にデルタ型変異株を中心とした感染拡大は深刻化していると指摘し、これ以上の感染拡大を防止するため、現在の厳格な対策を引き続き実施するとともに、幾つかの対策を強化する必要があるとした。これらの措置は8月31日まで有効で、14日ごとに見直しを行う。

決定第30号の主なポイントは以下のとおり。

1.管理区域の再指定外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます:特に感染拡大が懸念される29都県(バンコク、チャチュンサオ、チョンブリ、アユタヤ、ナコンパトム、ノンタブリ、サラブリ、サムットプラカーン、サムットサコン、ラヨーンなど)を厳格最高管理区域(ダークレッドゾーン)に再指定。

2.不要不急の外出の自粛などを要請:厳格最高管理区域にいる者は、日中の不要不急の外出を自粛するとともに、午後9時から翌日午前4時までの夜間の外出を禁止する。さらに、公共交通機関のサービス制限や、国・民間企業の在宅勤務要請などについても、8月31日まで実施する。

3.県境移動の制限:厳格最高管理区域からの県境移動者に対し、越境ルートにチェックポイントを設置、監視を強化する。

4.感染拡大を助長する活動の禁止:厳格最高管理区域で5人を超える集会の原則禁止。

5.各指定区域での規制措置

  • 厳格最高管理区域内にある百貨店やショッピングモールなどは午後8時まで営業可。施設内の飲食店はフードデリバリーサービスによる販売のみ可。持ち帰りは不可。
  • バンコクとその近隣県の建設労働者:バンコクと近隣県(ナコンパトム、ノンタブリ、パトゥムタニー、サムットプラカーン、サムットサコン)の県知事は、感染拡大を抑制した建設現場などの工事について、場合によっては規制緩和の可否について検討する。

6.全国の工場や作業現場の労働者:企業の責任者は感染防止対策の徹底とバブルアンドシール(注)を実施する。

また、バンコク首都庁(BMA)も2日、閉鎖指令第39号を公表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますし、決定第30号にならった措置を講じることとした。

(注)バブルアンドシールは、主に工場労働者や建設現場の作業員に適用する感染防止対策。シール方式は工場内に従業員の宿泊施設を設けること、バブル方式は工場外に従業員が居住している場合に、従業員をバスなどで工場まで運ぶなどの方法で感染を防止するもの。

(岡本泰、ナオルンロート・ジラッパパー)

(タイ)

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