2021年1~6月の貿易総額は2割増に

(タイ)

バンコク発

2021年08月03日

タイ商務省は7月27日、同国の2021年上半期(1~6月)の貿易統計を公表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。貿易総額は前年同期比20.6%増の2,622億3,000万ドル、輸出総額は15.5%増の1,323億3,500万ドル、輸入総額は26.2%増の1,298億9,500万ドルと、いずれも2桁増になった。貿易増加の要因として、2020年上半期の貿易が新型コロナウイルスの影響により低調だった反動という側面は大きい。加えて、自動車・同部品の輸出が好調なこと、輸入では原油価格が上昇したことなども挙げられる。貿易収支は24億3,900万ドルの黒字で、黒字幅は前年上期に比べて8割減少した(添付資料表1参照)。

輸出を仕向け地別にみると、ASEANが前年同期比11.2%増の316億5,200万ドルと回復した。特に、マレーシアは53.3%増の58億7,600万ドル、フィリピンも32.8%増の31億9,900万ドルと回復がみられる。米国も21.0%増の198億7,400万ドルと拡大を続けている。日本も12.6%増の125億6,500万ドルと増加した(添付資料表2参照)。

輸入では、構成比で24%を占める中国からが前年同期比31.8%増の314億8,700万ドルと増大した。ASEAN域内からの輸入も21.4%増の231億1,400万ドルと回復が鮮明だ。特に、インドネシアからは48.3%増の41億8,000万ドル、フィリピンからは39.4%増の19億2,200万ドル、ベトナムからは38.7%増の35億500万ドルと拡大した。日本からは28.2%増の176億3,200万ドルだった。輸入の伸び率の高さは、2020年の上半期(特に4~6月)に輸入が低調だった反動が主な要因だが、中国やベトナムなど、2019年を上回る水準で拡大する輸入相手国もある(添付資料表3参照)。

輸出を主要品目別にみると、自動車・同部品は前年同期比55.5%増の149億ドルと大幅増になった。続いて、コンピュータ・同部品が19.1%増の104億8,700万ドル、ゴム製品が39.8%増の76億400万ドルだった。宝石・宝飾品を除き、いずれの品目も回復が顕著だ。ただし、2021年6月から東南アジアでは新型コロナウイルスの感染が急拡大しており、タイにおいても国内サプライヤーでのクラスター発生による供給の寸断などが原因で工場の操業停止を迫られるといった問題も顕在化している。2021年下半期も輸出が高水準で拡大するかは不透明だ(添付資料表4参照)。

輸入では、原油が前年同期比31.7%増の115億8,400万ドルと増大した。原油価格は2020年第2四半期と比べると上昇し、2019年の水準に戻っている。続いて、機械・同部品が15.8%増の104億1,200万ドル、化学品が33.9%増の99億5,800万ドル、電気機器・同部品が15.9%増の93億5,100万ドルと、主要品目は大部分が2桁増の伸び率だった(添付資料表5参照)。

(北見創)

(タイ)

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