ガストロ・ハポ・フード・ウィークで日本料理をプロモーション

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2021年08月27日

アルゼンチンで8月25日、日本料理のプロモーションイベント「ガストロ・ハポ・フード・ウィーク外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」が始まった。2019年に始まったこのイベントは2021年で3回目。小規模日本料理店の互助組織である「ガストロ・ハポ」が主催し、加盟店が1週間にわたって各店舗で特別メニューを提供するなどしてB2Cのプロモーションを行う。ガストロ・ハポの加盟店は約60軒。加盟店が共同でプロモーションを行ったり、食材の共同購入を行ったりしている。

ガストロ・ハポのセルヒオ・アサト会長によると、アルゼンチン人がイメージする日本料理は寿司(すし)で、アルゼンチンの日本料理店の8、9割は寿司店だという。ファブリック・スシ、スシ・ポップ、スシ・クルブといった地場大手が首都ブエノスアイレス市を中心に複数店舗を展開するほか、寿司を提供する小規模店は無数に存在する。店舗の規模を問わず、提供されている料理の大半はいわゆるフュージョンで、ごく一部の店舗を除いて顧客はアルゼンチン人だ。

こうした店舗で使われる日本産食材は、ビール、清酒、焼酎、のり、しょうゆが主だが、のり、しょうゆは日本産でないものが多く、日本産食材はあまり使われていない。日本産食材を使うと、アルゼンチン人向けの価格に合わないためだ。ただ、言い換えれば伸び代は大きいということでもある。元来、アルゼンチン人は食に対して保守的だが、それも徐々に変化している。また、ブエノスアイレス市ではバーがブームで、バーテンダーは新しいお酒を求めている。

資本取引規制や物流費の高騰で日本産食材の輸入は難しい状況だが、ガストロ・ハポ・フード・ウィークは、寿司以外の日本料理にも焦点を当てて、日本料理の間口を広げようとしている。こうしたプロモーションの積み重ねが、アルゼンチンにおける日本料理や日本産食材の普及には欠かせない。

写真 開会式に合わせた試食会場の開始前の様子(ジェトロ撮影)

開会式に合わせた試食会場の開始前の様子(ジェトロ撮影)

写真 試食会場で提供されたフュージョン寿司。右端はタピオカを使ったベジタリアン向け(ジェトロ撮影)

試食会場で提供されたフュージョン寿司。右端はタピオカを使ったベジタリアン向け(ジェトロ撮影)

写真 寿司だけでなくたい焼きなど甘味も人気(ジェトロ撮影)

寿司だけでなくたい焼きなど甘味も人気(ジェトロ撮影)

(西澤裕介)

(アルゼンチン)

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