上半期の輸出入はともに増加、園芸作物の輸出好調

(ケニア)

ナイロビ発

2021年08月20日

ケニア中央銀行(CBK)の統計によると、2021年上半期の輸出額は前年同期比16.3%増の3,688億ケニア・シリング(約3,688億円、Ksh、1Ksh=約1円)だった。

CBKのパトリック・ンジョロゲ総裁は7月29日のメディアブリーフィングで、園芸作物の輸出が好調だと述べた。CBKが指定する主な輸出品目〔コーヒー、茶、石油、化学製品、魚、園芸作物(注)、セメント〕の輸出額(FOB価格)をみると、園芸作物は上半期の輸出額で最も高く、前年同期比30.8%増となる730億6,600万Kshだった。

園芸作物が好調な理由は、2020年に新型コロナウイルス拡大の影響で落ち込んだ航空便が回復したことや、輸出市場の規制緩和が後押しとなったと考えられる。2021年9月には欧州向けのマンゴー輸出が8年ぶりに解禁、2022年3月には韓国へのアボカド輸出が解禁される見通しで、さらなる輸出拡大にも期待が集まっている。

コーヒーの輸出額は、前年同期比22.2%増の161億4,700万Kshだった。同総裁はコーヒーの輸出額増加の理由についても触れ、ブラジルの生産量が寒波により落ち込んだことで国際取引価格が上昇したと説明した。また、輸出額の伸び率が最も高かったのはセメントで、同2.6倍の5億9,100万Kshだった。茶の輸出は同1.4%減の679億7,200万Kshにとどまった。

一方、輸入額は輸出を上回るペースで拡大し、前年同期比27.7%増の9,917億Kshで、結果的に貿易赤字は4,594億Kshから6,230億Kshに拡大した。CBKは輸入額増加の理由について、製造業の活発化に伴う燃油、機械、原材料の輸入増によるものだとしている。

(注)切り花、野菜、果物などが対象。

(久保唯香)

(ケニア)

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