深セン市データ条例を発表、個人情報保護を強化、2022年1月施行

(中国)

広州発

2021年07月13日

中国の深セン市人民代表大会常務委員会は7月6日、「深セン経済特区データ条例」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。2022年1月1日から施行する。中国国内初のデータ分野の総合的な条例で、個人情報や公共データ、データ要素市場、データの安全管理、法的責任など全7章で構成する。

同条例では、ネットサービスでビッグデータを活用し、同じような条件のユーザーに対して意図的に表示価格に差をつける行為や、違法手段で情報を収集するなどの行為に対し、最大5,000万元(約8億5,000万円、1元=約17円)の罰金を科す。

個人情報の入手について、アプリ運営者はユーザーに事前に個人情報処理に関する事実を告知した上で本人の同意を得る必要があり、ユーザーは自由にその同意を撤回する権利がある。運営者は顔認証や指紋認証、虹彩認証などの生体認証データを処理する際、本人の同意を得る必要があり、非生体認証データを扱う代替案を提示しなければならない。特定の目的に基づいて生体認証データを処理する場合は、本人の同意を得ずに当該データを他の目的に使用してはならない。

教育、環境、電力供給などに関する公共データの共有について、政府はビッグデータセンターを建設し、公共データディレクトリシステムに基づいて共有システムを構築し、法律の範囲内で最大限に無料開放する。データ処理の関連基準について、市政府はデータ処理に関するコンプライアンス基準、データ製品、サービス基準などの策定を組織すると規定している。

広東卓建弁護士事務所の尹鍾秀弁護士は、同条例が深セン市で先行して施行されるのは、先行モデル区として積極的に優良な法的環境とデータエコシステムの構築に注力しているためで、同条例の施行で「深センのデジタル経済発展がさらに促進されていくだろう」との見方を示した。

(梁梓園)

(中国)

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