7月1日から輸出航空貨物への保安監視体制を厳格化

(シンガポール)

シンガポール発

2021年07月01日

シンガポール警察は、7月1日から「特定荷送人制度(Known Consignor Regime)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」の運用を開始した。同制度は当初、2020年10月までの開始が予定されていたが、「新型コロナ禍」によってこれまで3度延期されていた。

シンガポール警察によると、本制度は、航空輸送においてテロの危険性が世界的に増大している中、国際民間航空機関(ICAO)の指針にのっとり、輸出航空貨物に関して保安体制強化を目指したものとなる。2008年4月から、貨物代理店やフォワーダー(注)などを対象として導入を開始した「登録航空貨物エージェント制度(RCAR)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」では、未登録エージェントの輸出航空貨物を、全て未知の貨物(Unknown Cargo)として、国際輸送業者(AECs)や国際貨物ターミナル運営業者(AFTs)によるスクリーニング検査の対象としていた。

今回の新制度の運用開始により、特定荷送人(KC)が登録航空貨物エージェント(RCA)を利用する場合、貨物検査はランダムとなる。KCとしての登録申請は任意だが、登録を行わない場合、未知の貨物となるため、全ての貨物が検査対象になる。なお、航空貨物のスクリーニング検査に関連する費用は、荷主負担となる。

KCの既登録企業のリストは、警察当局により公表されている。同リストでは、2021年6月24日時点で進出日系企業も含め126社が記載されている。他方、RCAは5月10日時点で203社だ。

ジェトロがシンガポール進出日系企業にヒアリングしたところ、航空機への積み込み遅延など、貨物の出荷配送への影響を懸念する声が聞かれる。また、KCの登録申請に当たっては、所定の認定証明書がない場合、貨物の製造、梱包(こんぽう)、保管、輸送を含むサプライチェーン全体にわたるセキュリティ対策と手順を詳しく記載したセキュリティプログラムの提出が必要となる。また、登録後の定期的監査も規定されることから、進出日系企業には申請に関して様子見の動きがみられている。

なお、KCの登録やRCAの利用の有無にかかわらず、米国向け貨物は、従来どおり100%の検査が継続される。

(注)自らは輸送手段を持たず、船舶・航空機・トラックなどを利用し、荷主と直接契約して貨物輸送を行う仲介業者。

(玉置仁)

(シンガポール)

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