2020年対内直接投資額は35%減の59億ドル、アフリカではトップ維持

(エジプト)

カイロ発

2021年07月13日

エジプト中央銀行によると、2020年のエジプトの対内直接投資(注1)は、前年に続きアフリカでトップを維持しつつ(注2)も、前年比35.1%減となる約58億5,200万ドルだった(添付資料表参照)。

EUからの投資が39.3%を占めて最も多く、続いてアラブ諸国が25.2%と存在感を示した。国別では、イタリアが地中海沖の天然ガス関連事業などへの投資もあり、構成比17.9%で最も多かったが、前年比56.9%の減少となった。構成比13.7%で続く英国も前年比43.5%減だった。一方で、トップ10に入ったアラブ首長国連邦(UAE)、米国、オランダ、カタール、サウジアラビア、ルクセンブルク、中国、スイスからの投資はいずれも増加を見せた。

日本からの投資は前年比90.5%減だった。エジプト政府は外資を呼び込むため、輸出品製造や雇用を創出する企業への投資優遇策を打ち上げるが、日系企業からはビジネス環境の面で課題が多いとの声が上がっている。

(注1)FDI、国際収支ベース、ネット、フロー

(注2)国連貿易開発会議(UNCTAD)の世界投資報告(6月21日発表)によると、これは前年に続いてアフリカで最大の数字だった。次いで、2位はコンゴ共和国で40億ドル、3位は南アフリカ共和国で31億ドルとなっている。

(井澤壌士)

(エジプト)

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