新型コロナで原動機付き二輪車販売が大幅増加、EV化も加速

(オランダ)

アムステルダム発

2021年07月26日

オランダ自転車・自動車工業会(RAI)は7月12日、2021年上半期の自動二輪車の新車販売台数が2009年以来の最高水準を記録したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。新型コロナウイルス感染拡大の影響で2020年から販売増加が続いている。また、モペッド(注)の販売も好調で、電動(EV)化も大きく進んでいる。

2020年の自動二輪車の新車販売台数は前年比4.6%増の1万4,622台となり、直近10年間で最大の販売台数となった。同年3月の新型コロナウイルス感染拡大以降、感染を避けるために個々の移動のニーズが高まったためとみられる。世界的な感染拡大により部品や製品の供給が滞る時期もあったが、2020年夏から年末にかけて販売が急増した。

また、2021年上半期の自動二輪車の新車販売台数は前年同期比約8.5%増の9,383台となり、上半期ベースで2009年以来の最高水準となった(添付資料図1参照)。市場の自動二輪車の総数も新型コロナ感染が拡大した2020年3月から2021年7月1日までの時点で約2万台増加し、史上最高の76万9,658台となった。

2020年の自動二輪車の新車販売台数をメーカー別にみると、1位のBMW(2,541台)、2位のヤマハ(2,477台)、3位のカワサキ(2,197台)がトップ3で、4位にホンダ(1,235台)、5位にKTM(1,175台)、6位にスズキ(995台)と続いた。2021年上半期も同様の順位となった(添付資料表参照)。

2020年のモペッドの新車販売台数は前年比45.0%増の8万4,771台となり、2010年以来の大幅な増加となった。モペッドも新型コロナウイルス感染拡大で利用制限のあった公共交通機関の代替手段として選択されたことなどが急増の要因となった。最高時速25キロまでのモペッドの新車販売台数は6万2,348台(前年比61.9%増)とモペッド全体の7割以上を占め、このうち約22%が電動式だった。最高速度45キロまでのモペッドの新車販売台数は2万2,423台(12.5%増)で、電動式は約18%を占めた。

2021年上半期のモペッドの新車販売台数は前年同期比8.7%増の3万9,508台となり、前年からの増加傾向が続く(添付資料図2参照)。この時期はワクチン接種が進み、行動制限は徐々に緩和されたが、手軽で安価な個人の移動手段が引き続き好まれているとみられる。全体の29.4%が電動式だった。

原動機付き二輪車の新車販売は、2019年6月に政府が発表した国家気候協定外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの中で、最高時速25キロのモペッドは2025年までに、最高時速45キロのモペッドは2030年までに、それぞれゼロエミッションとすることを掲げており、電動式モペッドのさらなる増加が今後、不可欠となる。

(注)モペッドは原動機付き二輪車のうち、最高時速25キロ(自転車道を走行、アムステルダム市内を除く)までと、最高時速45キロ(一般道を走行)までとに分類される。

(高橋由篤)

(オランダ)

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