上海市で消費喚起の「五五購物節」、デジタル人民元の福袋も登場

(中国)

上海発

2021年07月27日

上海市で消費刺激策の一環として「五五購物節(55ショッピング・フェスティバル)」が5月1日から6月30日まで開催された。初回の前年に続いて2回目(2020年6月12日記事参照)。

上海市商務委員会が7月14日に発表したフェスティバルの結果によると、期間中の上海市の消費(社会消費品小売総額)を押し上げ、5月は前年同月比15.7%増、2019年同月比でも16.4%増となった。6月はオンライン、オフラインともに消費が伸び、前年同月比10%以上の増加が見込まれる。

今回のフェスティバルでは、特にナイトエコノミー(夜間消費活動)の振興に重点が置かれた。フェスティバルと同時に「上海夜生活節(ナイト祭り)」が前年に続いて行われ、期間中に営業時間を延長した書店や博物館などでのナイトイベントや、商業地区での大道芸人のショー、イベント6カ所を結ぶバス運行などが行われた。スマートフォンアプリ運営の美団によると、ナイト祭り期間中の飲食店の消費額が前年同期比50%増、バーの消費額が33%増となった。

また、各種消費クーポンも配布された。上海市体育局は32万枚のクーポンを配布し、上海市民は計465万元(約7,905万円、1元=約17円)分の各種スポーツ関連消費に関する補助を受けた。大手スーパーの百聯集団は各種消費クーポン15億7,000万元分を発行し、販売額を前年同期比8.6%伸ばした。食品メーカーの光明集団は各種消費電子買い物券1億7,000万元を配布し、69億元の消費を喚起するなどした。

さらに、人民銀行上海本部は上海市の商務委員会、地方金融監管局と連携して、55元のデジタル人民元の福袋を35万個発行するなど、デジタル人民元も消費喚起に一役買った。

上海市商務委員会は国際的な消費の中核都市を目指すとして、2021年下半期には祝日やイベントに合わせて行う販促イベントの強化、国産品・ブランドの販促強化、商業のデジタル化の加速を行うなど各種事業を推進する。

(侯恩東)

(中国)

ビジネス短信 eb6fbac666c650c5