上海市、消費促進イベントを継続的に開催

(中国)

上海発

2020年06月12日

上海市では、新型コロナウイルスの感染拡大で落ち込んだ消費を回復させるため、各種消費促進活動を実施している。上海市商務委員会の華源主任は4月9日の記者会見で、上海市は以下の5つの消費促進策を打ち出した。(1)ナイトエコノミーの発展(大規模な夜間消費活動の実施)、(2)ブランド経済の発展(南京路や特色のある市内50カ所の商店街の改造)、(3)免税経済の促進(空港やクルーズ船の寄港地や市内の免税店の増設を支持)、(4)プラットフォームの発展(無接触型物流、無人の便利店など推進)、(5)首発経済の発展(新商品を最初にリリースするモデル区の建設)。

また、消費刺激策の一環として、上海市では5月初旬の大型連休から6月にかけて継続的に販促イベント「五五購物節(55ショッピング・フェスティバル)」(以下、フェスティバル)が開催され、クーポン券の配布や割引セールなどが行われている。

上海市商務委員会の発表(6月3日)によると、5月の上海市のオンライン小売額は約1,000億元(約1兆5,000億円、1元=約15円)に達し、オフラインでの実物消費額も1,443億元を超え、前年同期の水準に戻った。

上海市はこうした消費の勢いを持続させるべく、フェスティバルの一環として6月6日から30日まで「上海夜生活節」(以下、ナイト祭り)を開催している(詳細は映像参照外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。期間中にバーや深夜食堂、深夜書店などでナイトイベントを行うほか、夜のライブショーなど合計で180のイベントを開催する。

また、南京路や淮海路、静安区などの重点商圏内にある一部の店舗の営業時間を午後11時まで延長し、毎週金・土曜日と祝日には、地下鉄1、2、9、10号線の運行時間も午前0時までとするなどの措置も取る。6月6日以降は30カ所の博物館と6カ所の美術館でも、一部営業時間の延長や夜間開館を実施している。

上海市は2019年4月24日に「ナイトタイムエコノミーを発展推進させる指導意見」を発表(2019年5月13日記事参照)、重点的な商圏として外灘(バンド)地区や新天地の一部のエリア計9カ所を夜間活動の重点スポットとして指定している。

(龐婷婷)

(中国)

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