米民間調査、ビジネスに最適な州としてバージニア州が2回連続で首位

(米国)

ニューヨーク発

2021年07月15日

米国バージニア州のラルフ・ノーサム知事は7月13日、米ビジネス専門誌CNBCが発行する「米国のビジネスに最適な州外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」の2021年版のランキングで同州が1位になったことを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同誌が2007年に調査を開始してから、同州が首位に選定されたのは今回で5度目となり、2019年に続けて2回連続で1位を獲得した(注)。

同誌は、毎年7月に全米の州別ビジネス環境を比較するランキングを掲載しており、ビジネスコスト全般、インフラ、労働力、経済、イノベーションなど10項目の評価を通じて、総合順位が決められる。評価は、州政府が発行する経済開発関連資料などで各州がセールスポイントとして取り上げた項目の頻度によって数値化されている。満点は2,500点で、バージニア州の総合得点は1,587となり、2位はノースカロライナ州(1,546点)、3位はユタ州(1,519点)だった(添付資料表参照)。

2021年のランキングでは、新型コロナウイルスや2020年に全米各地で広まった人種差別への抗議活動の影響から、公衆衛生措置や人権問題に対する取り組みも新たな指標として含まれた。バージニア州においては、2019年に民主党が州議会で多数派となって以来、45日間の不在投票期間の設定や大統領選の投票日を州の祝日にするなど、選挙権の公平性を確保するための取り組みや、LGBTQへの差別禁止についての法制定の取り組みなどが評価された(AP通信7月13日)。同法は2020年に制定されているが、南部の州では初めてのLGBTQに対する差別を禁止する包括的な施策となる。

その他、バージニア州は、米国でもトップクラスと評される教育水準や、有能な労働力を有する観点での優位性が挙げられている。同州では、25歳以上の人口のうち約4割が学士号を取得していることや、州内の雇用に占めるSTEM(科学、技術、工学、数学)分野の労働者が国内で3番目に多いことも高く評価された(「CNBC」7月13日)。

ノーサム知事は今回の結果を受け、「バージニアは、世界トップクラスの教育機関、有能な労働力、公平性、多様性、包括性への取り組みにより、ビジネスを行う上で最適の場所だ」と歓迎するコメントを出した。同知事の下、同州では幼児教育へのさらなる投資や、公立高等教育機関におけるコンピュータ科学およびテクノロジーの学位を取得するための教育関連プログラムを拡大するなどで、テック分野の人材への需要の高まりに対応していくとしている。

(注)2020年は、新型コロナウイルスの影響で本ランキングは実施されなかった。

(樫葉さくら)

(米国)

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