山東省青島市の新国際空港、8月12日に開港

(中国)

青島発

2021年07月28日

中国民用航空局空中交通管理局が7月12日に発表した通知によると、山東省・青島市の青島膠東国際空港が8月12日午前0時に開港、現在使用している青島流亭国際空港を閉鎖する。

新空港は青島市膠州に位置し、市内中心部から56キロの位置にある。第1期工事の面積は16.25平方キロ、投資総額は360億3,900万元(約6,126億6,300万億円、1元=約17円)という。2本の遠距離運航用の滑走路と1つのターミナル、184カ所の駐機場を有する。2025年までに旅客数3,500万人、貨物取扱量50万トンの受け入れを可能とする計画だ。第2期工事では、2045年までさらに2本の近距離用滑走路と2つのターミナルを新設し、旅客数5,500万人、貨物取扱量100万トンまでの受け入れを目標とする。

膠東国際空港は、北東アジアの国際ハブ空港と日本、韓国間の新たな窓口として位置付けている。国内便の乗り入れ就航都市は京津冀(北京市、天津市、河北省)都市群、長江デルタ地域(上海市、南京市、杭州市、蘇州市など)、粤港澳大湾区(香港・マカオ・広東省珠江デルタの9都市)、成渝(成都市、重慶市)などを含む約130都市となる。国際便については、日韓や欧米、オーストラリア、東南アジアなど約50都市で、日本と韓国とは17都市とつながり、主要都市をほぼ全てカバーする。

新空港の開港に伴い、都市の拡張も進んでいる。新空港を中心に形成する青島膠東国際空港臨空経済区は中国17カ所の国家レベル空港経済区の1つとして、航空運輸・物流産業を主軸に、航空に関わるハイエンドサービス業やハイテク製造業といった周辺産業と併せて発展させるべく建設が進んでいる。2021年に入って、同空港経済区には44件のプロジェクトを導入、投資総額は468億元に達する。空港北部に位置する対外貿易総合保税区には、航空物流や越境EC、サプライチェーン管理などに関するプロジェクトが既に進出している。また、同空港経済区の周辺に位置する上海協力機構地方経貿合作示範区(2018年6月19日記事参照)にも、EC大手の京東(JD)による京東物流「アジア1号」青島スマート物流プロジェクトをはじめ、シンガポールのメープルツリーによるロジスティクスパーク、蘇寧越境EC産業園などの国内外大手物流・貿易企業による物流機能の集積が進む。

(董玥涵)

(中国)

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