米西部ワシントン州とオレゴン州、経済活動を全面再開

(米国)

サンフランシスコ発

2021年07月02日

米国西部ワシントン州は6月30日、5月13日発表(2021年5月21日記事参照)のとおり、経済活動を一定のガイドライン下で全面再開した。ジェトロが現地在住者に聞いたところ、中心都市のシアトル市のレストランでは、利用客でにぎわっている光景も見られるという。他方、経済再開後も新型コロナウイルス感染防止に関する取り組みは引き続き必要となる。

企業は、州労働産業局のガイドラインへの対応が引き続き求められる。6月30日時点のガイドラインPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)によると、雇用主は、従業員のマスク着用義務を解除する前にワクチン接種証明や従業員による自己証明を基に従業員の接種状況を確認すること、ワクチン未接種の従業員の職場屋内でのマスク着用を確実にすること、従業員が50人を超える職場で10人以上の新型コロナウイルス感染が発生した場合に24時間以内に労働産業局に報告することなどが必要となる。また、雇用主は、場合によってワクチン接種完了者に対しても、マスク着用を要求あるいは奨励することができる。

経済再開後も、ワクチン接種の状況にかかわらず、公共交通機関や医療施設、学校・児童施設の屋内などでは引き続きマスク着用が求められる。収容人数の制限については、コンサートやスポーツイベントなど、屋内の密閉された空間で開催される参加者が1万人を超える大規模イベントは、事前に全参加者のワクチン接種の完了が確認できていない場合には、収容人数の75%までとなる(6月30日時点)。

人の移動に関して、州交通局の発表によると、州内の幹線道路32カ所の6月末の交通量は、新型コロナウイルス感染拡大前(2019年7月3日基準)の水準にほぼ回復している。他方、州の主要公共交通10機関の6月末の利用者数は感染拡大前(同)の約5割となっている。また、シアトル市の非営利団体、ダウンタウン・シアトル協会(DSA)によると、6月13日の週(平日の日中)の市中心部のオフィスワーカーの平均滞在人数は、感染拡大前(2020年1月26日の週)の約2割にとどまる。

ワシントン州に隣接するオレゴン州でも、6月30日に経済活動を全面再開した。新型コロナウイルスに関する公衆衛生上の規制や、感染状況に応じて各郡のビジネス再開・制限を管理してきたフレームワークも原則解除した。同じ西海岸州では両州に先駆けて、カリフォルニア州が6月15日から全面的に経済活動を再開している(2021年6月18日記事参照)。

(石橋裕貴)

(米国)

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