EUの5月の失業率は前月比0.1ポイント改善、ユーロ圏では0.2ポイント改善

(EU、ユーロ圏)

ブリュッセル発

2021年07月05日

EU統計局(ユーロスタット)の7月1日の発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、5月の失業率(季節調整済み)は、EU27カ国全体で前月から0.1ポイント改善し7.3%、ユーロ圏19カ国では0.2ポイント改善の7.9%だった(添付資料表参照)。

5月の失業率を加盟国別にみると、チェコとオランダが3.3%と最も低かった。チェコでは、新型コロナウイルスの感染状況が当初の予想より早く改善しており、国内実質経済の早期回復も見込まれている(2021年6月25日記事参照)。オランダでは、新型コロナウイルスの感染拡大防止措置の段階的解除とワクチン接種の加速により、経済は2021年第2四半期から回復に向かうとし、2021年の実質GDP成長率を3.2%に上方修正している(2021年6月25日記事参照)。失業率が最も高い加盟国はギリシャで15.4%だった。ギリシャでは、2020年3月の新型コロナウイルス感染拡大開始以降、最も低い失業率になった。

失業率が前月から改善した加盟国は、ギリシャ(1.8ポイント減)やハンガリー(0.6ポイント減)など18カ国だった。他方、失業率が前月から悪化した加盟国は、キプロス(0.7ポイント増)と、ポルトガル、クロアチア(ともに0.2ポイント増)、ラトビア(0.1ポイント増)の4カ国のみだった。

5月のEU27カ国の失業者数は1,527万8,000人で、前月比38万2,000人減、そのうちユーロ圏は1,279万2,000人で、30万6,000人の減少となった。同月の25歳未満の若年層の失業者数は、EUで297万9,000人となり、このうち240万3,000人がユーロ圏の失業者だった。若年層の失業者数の増減を前月比でみると、EUでは17万4,000人の減少、そのうちユーロ圏で13万8,000人の減少となった。

若年層の5月の失業者数を加盟国別にみると、フランス(53万2,000人)、スペイン(50万人)、イタリア(48万3,000人)が引き続き大部分を占めた。フランスとスペインでは、若年層失業率がそれぞれ19.2%、36.9%となり、前月からそれぞれ1.2ポイント改善した。イタリアは31.7%と、1.1ポイント改善した。若年層失業率が最も低かったのは、マルタの7.4%で、次いでドイツとチェコの7.5%が続いた。最も高かったのはギリシャ(38.2%)だった。

(大中登紀子)

(EU、ユーロ圏)

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