大規模ワクチン接種イベント「バクナトン」で接種が加速

(ペルー)

リマ発

2021年07月14日

ペルーでは7月10日および11日に、リマ首都圏の指定された21の会場で大規模な新型コロナワクチン接種イベント「バクナトン」が開催された。同イベントでは、通常、午前7時から午後4時までとされているワクチン接種受け付け時間を大幅に延長し、10日の午前7時から11日の午後7時までの36時間連続で接種を行った。これにより、深夜や早朝にも大勢の希望者が来場し、保健省の達成目標を上回る約24万人が接種を受けた。同イベントにより国内の接種回数が増加し、10日の全国の接種回数は過去最高を記録。ペルー国内におけるワクチン接種が加速した。

現在、国内での接種方式は、一部の優先接種対象者に加えて、年齢別に進められている。地方自治体ごとの実施で、州によって進行状況に一定の格差が生じている中、リマ首都圏では現在47歳以上が対象とされている。

国内の7月12日時点の接種数の累計は、962万8,661回(1回目接種者595万2,519人と2回目接種者367万6,142人)に達し、人口の約30%が少なくとも1回は接種済みとなった。また、60歳以上の高齢者では、1回接種済みが69.0%、2回接種済みが58.8%。今後、ペルーの人口割合が高い40代や30代が接種対象の中心になることから、保健省では、今週末の17、18日、来週末24、25日にも「バクナトン」の接種イベントを開催する予定のほか、地方での開催も検討している。

なお、接種者には、日時、会場、氏名、ワクチンの種類、回数、ワクチンのロット番号が手書きで記載された接種カードが会場で手渡しされる。同データは、数日後に保健省のワクチン接種記録サイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに入力され、デジタル接種証明書の発行が可能とされているが、現段階では、証明書所持による国内の規制緩和措置や他国との証明書共通化などの動きは発表されていない。

写真 リマ市サン・イシドロ区に設置された「バクナトン」会場入り口(ジェトロ撮影)

リマ市サン・イシドロ区に設置された「バクナトン」会場入り口(ジェトロ撮影)

写真 会場内のワクチン接種ブース(ジェトロ撮影)

会場内のワクチン接種ブース(ジェトロ撮影)

画像 ワクチン接種証明書(デジタル版)。個人データのほか、接種ワクチンの詳細も記載(保健省サイトより)

ワクチン接種証明書(デジタル版)。個人データのほか、接種ワクチンの詳細も記載(保健省サイトより)

(川又千加子)

(ペルー)

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