与党「繁栄党」が下院選挙で圧勝

(エチオピア)

アディスアベバ発

2021年07月12日

エチオピア選挙管理委員会は7月10日、人民代表議会(下院)の選挙結果を発表した。6月21日に投票された選挙区(一部は翌22日にも投票)は、総議席数547のうち436議席だったが、最終的に、アビィ・アフメド首相が率いる与党「繁栄党」が410議席を獲得し、与党優位とされる中で圧勝した。野党・無所属は合わせて15議席にとどまり、11選挙区は再選挙・再調査を行うとした。9月6日には残る選挙区で投票を行う予定だが(2021年6月22日記事参照)、それらの結果を待たず、過半数を獲得した繁栄党が今後5年間、政権を担うことが確実となった。

なお、9月6日に投票予定の選挙区にはティグライ州(38議席)は含まれない。同州は2020年11月以降、反政府勢力の「ティグライ人民解放戦線(TPLF)」との紛争によって、国際社会が人道危機を危ぶむ状況となっている(2020年11月9日記事参照)。6月28日にはTPLFが州都メケレを制圧し、連邦政府国防軍と暫定行政府は撤退しており、政府が認める行政主体が不在となっている。政府は雨季の間のTPLFへの一時停戦を宣言しているが、雨季が明ける9月上旬以降、また、次回の人民代表議会が招集される10月以降、アビィ首相が国民の信託を受けた政府としてティグライ州の問題にどう対応するのか注目される。

(関隆夫)

(エチオピア)

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