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英政府がイノベーション戦略を発表、AIやゲノミクスなどで国際競争力を強化

(英国)

ロンドン発

2021年07月30日

英国ビジネス・エネルギー産業戦略省(BEIS)は7月22日、同国が世界のイノベーション競争で最前線に立つことを目指した新政策「英国イノベーション戦略PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」を打ち出した外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。これは、民間部門の研究開発(R&D)投資を促し、企業が最先端の科学を製品やサービスに活用できる環境を整備するための長期計画で、2021年3月に予算案(2021年3月9日記事参照)とともに発表した新たな産業政策「より良い復興:成長のための計画(Build Back Better)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」の重要な柱の1つとなる。

官民学のシームレスな連携により成功を収めた「ワクチン・タスクフォース」などから得られた教訓を生かし、企業のR&D投資の相対的な減少やスキルギャップ、イノベーション促進に向けた規制環境の必要性など、英国が直面している基本的な課題の解決につなげる。ビジネスや人材など4つの分野に焦点を当て、R&D投資の拡大や高スキル人材の確保に向けた新たなビザ制度の導入など、イノベーション支援の具体的な方策も示している(添付資料表参照)。

そのほか、政府は英国の比較優位性や安全保障、社会的ニーズを踏まえ、イノベーション投資の分野に優先順位を設定。人工知能(AI)や環境技術、ゲノミクスなど、同国が強みや発展の可能性を持つ7つの分野が挙げられている。

同戦略の発表に際し、クワシ・クワルテングBEIS相は、産業革命から昨今の新型コロナワクチン開発まで、イノベーションによって英国が世界に変化をもたらしてきた歴史を強調。革新的な技術で先行すれば、世界を主導して長期にわたる成長や安全保障、繁栄を享受できるとし、同戦略を通じた英国の発展に期待を寄せた。産業界からも、歓迎の声が多く上がっている。

製造業のデジタル化に向けた支援も発表

BEISはさらに7月27日、デジタルマニュファクチャリング(製造工程のデジタル化)に必要な技術の開発支援に向け、5,300万ポンド(約81億円、1ポンド=約153円)を投じると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。国内5カ所に新設された研究施設に2,500万ポンド近くを投じる予定だ。さらに、製造業のサプライチェーンにおける生産性・持続性の向上に向けた革新的技術の開発を目指す「デジタル・サプライチェーン・コンペティション」(注1)で採択した37事業に総額1,800万ポンドを提供する。その他、産業界の取り組み「メード・スマーター(Made Smarter)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」(注2)が手掛ける、接続された、強靭(きょうじん)かつ持続可能なサプライチェーン構築に向けたソリューション開発を目指す「デジタル・サプライチェーン・イノベーション・ハブ」(注3)にも1,000万ポンドを拠出する。政府はこれらを通じ、製造業の生産性、競争力を高めていく考えだ。

(注1)デジタル技術を用いてサプライチェーンの改善や最適化を図るプロジェクトに対して資金提供。英国研究・イノベーション機構(UKRI)の企業助成事業部門イノベートUKが主導し、2020年7月から2020年10月まで公募を実施。採択された37の事業リストはUKRIウェブページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに掲載。

(注2)新たなデジタル技術やツールによる英国製造業の競争力強化を支援する活動。

(注3)製造業企業や技術を有する企業のイノベーションを推進し、英国の製造業にとって革新的な技術を開発するエコシステムを構築することを目的としたハブ。利用企業に対して実証環境なども提供する。

(尾崎翔太)

(英国)

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