モディ首相、第2次政権発足後初の内閣改造

(インド)

ニューデリー発

2021年07月14日

インドのナレンドラ・モディ首相は7月7日、2019年5月の第2次モディ政権発足後初の内閣改造を実施外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。新たに43人が就任し、12人が去った。今回の改造で任命された大臣は77人、第1次内閣時の57人に比べて大幅に増加、そのうち閣内大臣は30人となった。

最大の特徴は、与党・インド人民党(BJP)の重鎮で、重要閣僚を務めていた4大臣(ハルシュ・バルダン健康・家族福祉相、ラビ・シャンカール・プラサド電子情報技術・通信相、サントーシュ・ガングワル労働雇用相、プラカシュ・ジャバデカル環境・情報・放送相)が辞任したことだ。地場メディアなどの報道によると、バルダン氏は新型コロナウイルス感染第2波での対応失敗の責任、プラサド氏はIT規制をめぐるソーシャルメディアとの対応を誤ったこと、ガングワル氏は新型コロナ禍での労働者の大量失業など、所管業務で十分な成果を出せなかったこと、70歳のジャバルデカル氏は体調を崩していることが原因ではないかと報じられている。

新たに入閣したアシュウィニ・バイシュナウ電子情報技術・通信相、マンスク・マンダビヤ健康・家族福祉相の動向が注目される。また、今回の改造では、優秀なエリート官僚(IAS:Indian Administrative Service)や女性・専門家の登用と若返りを図ったこともうかがわれ、実務的な「仕事ができる」内閣を作ったともいえる。

このタイミングで内閣改造に踏み切った理由としては、感染第2波での対応へのモディ首相批判が高まっていたことや、BJPが政権を握る主要州(グジャラート州、ウッタル・プラデシュ州、ウッタラカンド州、ゴア州など)で2022年は2月以降に議会選挙が相次いで実施されることから、第2波が収まった段階で人心を一新する狙いがあったとみられる。

なお、ニルマラ・シタラマン財務相、アミット・シャー内相、ラジ・ナート・シン国防相、スブラマンヤム・ジャイシャンカル外相、ピユシュ・ゴヤル商工相など、その他の重要閣僚は留任となり、主要な外交、国防、経済政策は継続される見込みだ。

(村橋靖之)

(インド)

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