中国側統計、2020年の日本の対中投資実行額は前年比9.3%減
(中国)
中国北アジア課
2021年07月05日
中国国家統計局運営のウェブサイト「国家データ」によると、日本の2020年の中国への直接投資実行額は前年比9.3%減の33億7,448万ドルとなった(注)。日本の対中投資は2019年から2年連続で減少した。商務部運営のウェブサイト「中国投資指南」などで、2019年1~10月までは毎月上位10カ国・地域の投資実行金額を発表していたが、それ以降は発表されず、中国側統計を用いて、日本以外の他国・地域と比較しながら日本の直接投資実行額を把握するのが難しい状況になっていた。
「国家データ」で2020年の数値が確認できる主要国・地域の状況をみると(7月5日時点)、1位は香港で1,057億9,336万ドルと全体の73.3%を占めた。以下、シンガポール、英領バージン諸島、韓国と続き、日本は5位だった(添付資料表参照)。そして、2020年において、日本だけではなく、韓国(前年比34.7%減)、米国(14.2%減)、ドイツ(18.3%減)、台湾(37.3%減)、フランス(35.4%減)など、新型コロナウイルスの感染拡大がみられた中で、多くの主要対中投資国・地域でも減少したことが分かった。
なお、世界の2020年の中国への直接投資実行額は前年比4.5%増の1,443億6,926万ドルと前年より微増になった。2017年以降、4年連続での増加となる。商務部の定例記者会見(2021年6月17日)での高峰報道官の発言によると、世界の2021年1~5月の中国への直接投資実行額は前年同期比39.8%増の715億8,000万ドルと好調だ(2019年1~5月比では31.1%増)。高報道官は、外国投資者が依然として中国の経済発展見通しが明るく、市場の潜在力が大きいとみている、との見方を示した。
(注)同ウェブサイトに注釈はないが、過去の商務部発表の数値などと比較すると、銀行・証券・保険分野を含まない数値で、各国・地域の数値には当該国・地域から英領バージン諸島、ケイマン諸島、サモア、モーリシャス、バルバドスなどを経由して中国に投資された金額を含まないとみられる。
(宗金建志)
(中国)
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