NTT、イスラエルに技術探索拠点を設立

(イスラエル、日本)

テルアビブ発

2021年07月30日

NTTが7月にイスラエルに現地法人NTT Innovation Laboratory Israelを設立し、同月29日にテルアビブ市内のホテルで記念式典を開催した。式典にはヨアズ・ヘンデル通信相や水嶋光一駐イスラエル大使、ギラッド・コーヘン次期駐日イスラエル大使らが出席し、NTTの澤田純社長はオンラインで参加した。

NTT Innovation Laboratory Israelは、NTTグループの持ち株会社NTTの子会社として設立された。代表は、前駐日イスラエル経済公使のノア・アッシャー氏が務める。同社は、イスラエル企業の先端技術を探索してNTTグループ各社とつなぐ結節点となり、さまざまな分野の協業や投資を通じて、新ビジネスの創出やグループ全体の変革、イノベーションを支援する。

アッシャー代表は「NTTのイスラエル拠点設立は、ここ数年イスラエルとの関係を深めてきた日本の産業界に対し、イスラエルが引き続きイノベーションセンターであることの大きなメッセージになる」と語った。当面はサイバーセキュリティーやデジタルヘルス、ロボティクス分野を中心とした技術探索に取り組むという。

ヘンデル通信相は、日本の情報通信技術(ICT)分野の大企業であるNTTのイスラエル拠点設立を歓迎し、通信のみならず、農業やスマートシティーなど幅広い分野での日本とイスラエルの協業・投資の深まりに期待を寄せた。水嶋大使は、ここ数年日本からイスラエルへの投資が拡大している状況を紹介し、イスラエルの先端技術を活用した両国相互のビジネスの拡大に期待すると述べた。

日本企業のイスラエル企業との協業や投資は、新型コロナウイルス感染拡大後も続いている。最近では、豊田通商が自動車向けセキュリティーサービスを提供するイスラエルのスタートアップ企業Cybellum Technologiesと販売代理店契約を締結した。豊田通商は、同社が持つ通信モジュールを搭載する車両へのサイバー攻撃に対するソリューションを日本で展開する。

写真 記念式典でのテープカット(ジェトロ撮影)

記念式典でのテープカット(ジェトロ撮影)

(廣田新)

(イスラエル、日本)

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