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米フロリダ州、新規感染者数急増も経済活動は制限せず、クルーズ船再開めぐる訴訟は紛糾

(米国)

アトランタ発

2021年07月29日

米国フロリダ州では、新型コロナウイルスのデルタ株の感染拡大の影響で感染者数が再び急増している。7月16日から7月22日までの1週間の新規感染者数は、前週よりも2万7,000人以上多い7万3,199人となり、州内でワクチンの接種が広く可能となった1月下旬以降では最多の新規感染者数で、同州だけで全米の新規感染者数の約2割を占めている。陽性率も前週から3.5ポイント上昇して15.1%となった。

感染症の専門家は新規感染者数急増の理由として、ワクチン未接種者の多さ(注)やマスク着用あるいはソーシャルディスタンスといった予防措置の緩和、デルタ株のまん延、夏の暑い時期の屋内での人の密集など、複数の要因を挙げている。フロリダ州のロン・デサンティス知事(共和党)は、夏季における新規感染者数の増加は予想されていたと述べ、ワクチン接種を推奨するものの、ロックダウンやマスク着用の義務化の実施については否定している(「ウォール・ストリート・ジャーナル」紙電子版7月25日)。

紛糾するクルーズ船再開をめぐる訴訟

フロリダ州政府は、米国疾病予防管理センター(CDC)の条件付き航海命令(CSO)が州のクルーズ産業と経済に損害を与えているとして、CDCと連邦保健福祉省(HHS)を訴えたが、二転三転の末、連邦控訴裁判所が州側の主張を支持する結果となった。州政府とCDCの調停は和解に至らず(2021年6月18日記事参照)、フロリダ州タンパの中部地区連邦地方裁判所のスティーブン・メリーデイ裁判官は6月18日、CDCのCSO執行を越権行為と判断して差し止め命令を発令、CDCがフロリダ州の港を発着するクルーズ船に対してCSOの順守を強制することを禁止するとともに、7月18日以降、CSOは法的拘束力を持たないガイドラインとなる旨を命じた。

これに対してCDCは控訴を行い、ジョージア州アトランタの第11巡回区控訴裁判所は7月17日にメリーデイ裁判官の差し止め命令を保留し、CSOは法的拘束力を持つかたちで引き続き有効という判断を下した。しかし、7月23日には一転して一審の判決を支持、CDCがフロリダ港を出航するクルーズ船に対して安全上の規則を課すことはできないとした。控訴裁判所の同じ裁判官が1週間も経ずにその判断を逆転させたことに関して裁判所側から明確な説明はなく、法律専門家の間でも驚きの声が上がっている(「サン・センチネル」紙電子版6月18日、7月18日、7月24日)。

他方で、CDCおよびクルーズライン国際協会(CLIA)によれば、主要なクルーズ船運航会社は自発的にCDCのガイドラインに従う意向で、引き続き乗客に対してワクチン接種証明の提示を求めた上で、未接種者に対しては旅行保険への加入や屋内でのマスクの着用、ソーシャルディスタンスの維持などを求める見通し、と報じられている(「サン・センチネル」紙電子版7月28日)。

(注)7月27日時点のフロリダ州のワクチン完全接種率は48.5%(全米平均は49.2%)。

(石田励示)

(米国)

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