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米フロリダ州、クルーズ船の再開めぐり混乱が続く

(米国)

アトランタ発

2021年06月18日

米国フロリダ州では、クルーズ船の再開条件をめぐる州政府と米国疾病予防管理センター(CDC)間の対立(2021年5月27日記事参照)が収束しておらず(注1)、クルーズ船運航会社の間でも対応に差が生じている。

同州のロン・デサンティス知事は、4月2日に発令したワクチンパスポート(ワクチン接種証明書)の使用を禁ずる州知事令に基づき、乗客と乗員のワクチン接種証明を運航再開条件に盛り込んだCDCのガイドライン(注2)が個人の医療プライバシーを保護する州法に照らして違法と主張している(「クリック・オーランド」紙電子版6月3日)。

州政府とCDCの見解が対立する中、一部のクルーズ船運航会社はCDCのガイドラインに従って運航再開の準備を進めている。

クルーズ船運航大手ロイヤル・カリビアン・グループ傘下のセレブリティ・クルーズは、5月26日にCDCの条件を満たすとして、6月26日からの運航再開がCDCにより認められた(「トラベル・ウィークリー」紙電子版5月26日)。この動きに対して、州政府は5月27日、知事室の声明を通じて、乗客にワクチンパスポートの提示を求めた場合、提示を求められた乗客1人当たり5,000ドルの罰金を、クルーズ船運航会社に科す可能性に言及した(「サン・センチネル」紙電子版5月30日)。

別のクルーズ船運航大手ノルウェージャン・クルーズライン・ホールディングス(NCLH)は、全ての乗客、乗員にワクチン接種を求める方針を明らかにしており(「トラベル・ウィークリー」紙電子版5月27日)、ワクチン接種証明の使用を禁止するフロリダ州の港からの出航を避ける可能性も報じられた(CNN5月27日)。

他方、ワクチン接種を義務化しないクルーズ船運航大手として、MSCクルーズが挙げられ、同社はワクチン接種を推奨するにとどめている(「トラベル・ウィークリー」紙電子版6月7日)。

また、セレブリティ・クルーズの姉妹会社ロイヤル・カリビアン・インターナショナルは当初、乗客にワクチン接種を義務付け、ワクチン対象でない12歳未満の子供はPCR検査で陰性判定を受けなければならないとしていた。しかし、6月4日にこれを緩和し、フロリダ州とテキサス州の港から出航するクルーズ船の乗客に対して、ワクチン接種を推奨するものの、接種証明の提示は要求しないと変更した。さらに6月10日には、フロリダ州の港から出航するクルーズ船の乗客でワクチン接種証明の提示ができない乗客には、自己負担での新型コロナウイルス検査を求めることを明らかにした(「トラベル・パルス」紙電子版6月4日、10日)。

(注1)フロリダ州政府が、CDCの定める条件付き航海命令(CSO)の枠組み解除とクルーズ船の即時運航再開を求め、連邦保健福祉省(HHS)とCDCを提訴した訴訟は6月1日まで調停が行われたものの、和解に至らなかった。

(注2)乗客の95%と船員の98%がワクチン接種を終えている場合、CDCが運航再開の条件として定める30日間の準備期間と試験運航が免除される。

(石田励示)

(米国)

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