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2021年版「ジェトロ世界貿易投資報告」を発表、新型コロナが変えた世界や持続可能な国際ビジネスも展望

(世界)

国際経済課

2021年07月29日

ジェトロは7月29日、「ジェトロ世界貿易投資報告」の2021年版を発表した。同報告では、特に新型コロナウイルス発生以降の、(1)世界貿易・投資の動きと国際ビジネスを巡るルールの変容、(2)パンデミック対策や経済安全保障を動機とする規制・措置がバリューチェーンに及ぼす影響、(3)環境・人権などの新たなビジネス上の課題と企業に求められる対応、という3つのテーマに即し、定量的、定性的なトレンドを分析している。各章の要旨は以下のとおり。

第Ⅰ章 世界と日本の経済・貿易

世界市場の縮小、エネルギー価格の下落などにより、2020年の世界貿易額は前年比7.0%減少。同年後半に回復に向かうも、国際輸送サービスの混乱が全世界に波及し、海上・航空運賃は急騰した。また、2020年の日本の輸出は9.3%減となる一方、中国向けは4.9%増加した。同年の日本の輸出総額に占める中国の構成比も、前年の19%から22%に増加した。

第II章 世界と日本の直接投資

2020年の世界の対内直接投資額は前年比34.7%減の9,989億ドルと、2005年以来最も低い水準になった。日本の対外直接投資も33.8%減と大幅に減少した。

国際ビジネス活動の本格回復には、ワクチンの普及および同接種証明に基づく規制緩和などがカギとなる。EUなど一部の国・地域間では、接種証明の相互承認や証明に基づく防疫措置の緩和が進展している。

第III章 世界の通商ルール形成の動向

新型コロナウイルス対策のため、多くの国が関連財の輸出制限を導入。2021年初めにはワクチン関連の輸出制限も一時増加した。2021年3月時点では約150件の輸出制限措置が継続する。一方、医療用品などへのアクセス促進のため、貿易関連書類の電子化や簡素化、関税撤廃、規格・基準の緩和も進む。主要国・地域間では、時限的な貿易円滑化措置の恒久化に向けた検討も始まった。

米国・中国は輸出管理制度を強化し、管理対象品目や規制対象企業を拡大。再輸出にも域外適用されるため、日本企業は、取引先とともに調達・製造・販売品目や関連技術の再点検が必要となる。さらに、安全保障を理由に主要国は対内投資の審査制度を強化。同制度の運用は、第5世代移動通信システム(5G)や半導体、個人情報へのアクセスなど幅広い分野で確認される。審査対象は小規模投資にも及び、実務的な影響も拡大する。

第IV章 デジタル貿易・ルール

「新型コロナ禍」において、非接触など新たな生活様式、社会課題に即応した「コロナテック」が活況を呈した。2020年のデジタル関連財貿易額は前年比4.3%の伸び。半導体の伸びが牽引した。半導体の世界貿易に占める東アジアの構成比は85%近くに拡大した。

景気刺激策の財源として、デジタルサービス税導入の動機が強まったことを一因に、2020年以降、少なくとも10カ国が同税を導入。OECD主導による国際的なデジタル課税の枠組みが2021年10月にも最終合意に至る見通しの中、各国のデジタルサービス税の取り扱いが今後の焦点となる。

第V章 グリーン成長へ向かう世界

世界の二酸化炭素(CO2)排出量の7割超を占める国・地域がカーボンニュートラル(CN)を宣言。2050年のCN実現に必要な投資額は2030年時点で年間5兆ドルと見込まれる。さらに、温室効果ガス排出削減の政策ツールとして、カーボンプライシング(炭素税、排出量取引制度)を導入する国・地域が拡大。EUでは2023年1月からの導入を目指す炭素国境調整の議論も進展した。

グローバル企業を中心に、国際イニシアチブへの参加・賛同を通じたサプライチェーン全体での気候変動対応や目標設定、情報開示が進む。サプライヤーに脱炭素化を求める動きも着実に広がる。

本報告の概要はジェトロの記者発表ページを参照。本文は「ジェトロ世界貿易投資報告」ページで公開している。

(山田広樹)

(世界)

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