政府が二次電池産業発展戦略を発表

(韓国)

ソウル発

2021年07月14日

韓国産業通商資源部は7月8日、忠清北道にあるLGエネルギーソリューション梧倉(オチャン)第2工場で、政府や自治体、企業、大学、銀行、関連機関など約100人の参加の下、「2030二次電池産業発展戦略」(以下、K-バッテリー発展戦略)を発表した。

同戦略は、韓国のバッテリー産業が著しい成長を遂げている中、韓国政府は今後10年を二次電池のグローバル市場における各国の地位を決定づける重要な時期と認識し、産官学が結集して技術開発や市場創出などを推進することを目的としている。2030年の二次電池分野での世界第1位を目指し、以下の3つの戦略を掲げている。

1.官民による大規模R&Dの推進

次世代二次電池の早期商用化とリチウムイオン電池の高性能化、安全性の向上を目指す。前者については、全個体電池を2027年、リチウム硫黄電池を2025年、リチウム金属電池を2028年までに商用化し、電極素材、個体電解質など必要な要素技術の開発のため、次世代バッテリーパークを設置し、集中的に支援する。

2.グローバル先導基地構築のためのサプライチェーン構築

二次電池の安定的なサプライチェーン構築のため、海外からの原材料の確保とともに、国内でのリサイクル技術を強化する。海外からの原材料確保については、鉱物資源開発プロジェクトの支援、資源国との協力チャネルの拡大、鉱物資源備蓄システムの改善を行う。また、二次電池の素材・部材・装置産業の成長と技術力確保のため、800億ウォン(約80億円、1ウォン=約0.1円)規模の官民ファンドの創設、税額控除など、その他インセンティブを通じた支援を行う。

3.二次電池市場拡大のための多様な分野の需要市場の創出

使用済み二次電池のリサイクル市場を創出し、収集・運搬、保管、売却、性能評価、再資源化など、二次電池のライフサイクル全般の市場創出と産業育成を図る。また、ドローン、船舶、公共分野の蓄電池など、二次電池を活用した新規産業の創出を積極的に推進する。

文勝煜(ムン・スンウク)産業通商資源部長官は、今回のK-バッテリー戦略の発表に際し、「半導体に次ぐもう1つの主力産業として育成するため、政府は全方位支援を惜しまない」と強調した。

(当間正明)

(韓国)

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