6州が「国家回復計画」第2段階へ移行
(マレーシア)
クアラルンプール発
2021年07月07日
マレーシアのイスマイル・サブリ防衛相は7月3日、クランタン州、パハン州、ペラ州、ペルリス州、トレンガヌ州の5州で7月5日から「国家回復計画」の第2段階へ移行することを発表した。また、5日には、第2段階への移行条件を州ごとのに変更し、7日からはペナン州も第2段階へ移行することを発表した。
州ごとに段階緩和へ
「国家回復計画」の第1段階から第2段階への移行については、全国レベルで設定していた当初の条件を変更し、条件を満たした場合は州単位で次の段階に移行する。変更後の第2段階への移行条件は、(1)人口10万人当たりの感染者数が12.2人以下を閾値(いきち)として過去7日間の平均が本値を超えないこと、(2)集中治療室(ICU)の利用状況が適度なレベルに回復、(3)ワクチンを2回接種した人の成人人口比率が10%以上であることとなっている。ワクチンの2回接種率については、当初は全人口比だったので、多少厳格化したかたちだ。なお、第2段階から第3段階への移行条件の変更については言及されなかった。
第2段階では、州や地区をまたぐ移動と店内飲食の禁止や、緊急時を除く自宅から半径10キロ圏外への外出など移動に関する制限は第1段階とほぼ変更ない。1世帯当たりの外出可能人数、乗車人数上限にやや緩和がある。また、操業可能業種を拡大し、建設業、製造業では自動車、鉄鋼、セラミックなど、サービス業では書店や電化製品の販売店、美容院・理容室(散髪のみ)などが操業可能となる。製造業では、第1段階では出勤率60%(一部は10%)に制限されていたが、第2段階では80%までとなる〔7月5日付「国家回復計画」第2段階標準作業手順書(SOP)、(注)〕。
ワクチンを2回接種した人の成人人口比率は、7月4日時点でセランゴール州、サバ州を除いた州・連邦直轄地で10%を超えている。他方、7月3日から16日まで「強化された移動制限令(EMCO)」発令中のセランゴール州、クアラルンプールでは、新規感染者数の減少が喫緊の課題となる。
(注)マレー語のみ
(田中麻理)
(マレーシア)
ビジネス短信 4cf0e16bb67f554b