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法人税最低税率15%以上というG7合意、シンガポールの外資誘致に影響も

(シンガポール)

シンガポール発

2021年07月07日

シンガポールのローレンス・ウォン財務相は7月6日の国会答弁で、世界各国の法人税の最低税率を15%以上とすることなどG7の6月の財務相会合の合意により、シンガポールの外資誘致活動が厳しくなるのは「間違いない」との認識を示した。ただ、シンガポールへの具体的な影響を把握するのは、法人税率の国際ルールの詳細が設定されるまで時期尚早だと述べた。

OECDの7月1日の発表によると、シンガポールを含む130カ国・地域は、法人税の最低税率を15%以上とすることなどで大枠合意した。現時点では、法人税率15%以上の適用対象となるのは、連結売上高が7億5,000万ユーロ以上の多国籍企業とされる。ウォン財務相は国会答弁の中で、この基準を満たす多国籍企業がシンガポールに約1,800社存在し、この多くの実効税率が15%を下回ると指摘した。シンガポールの法人税率は17%だが、実効税率が複数の優遇税制や控除の適用により17%を下回っている。

また、今回の法人税の新ルール案では、課税権を多国籍企業の本社がある国ではなく、実際に利益を創出した国に課税権を分配するべきとしている。ウォン財務相はこの課税ルールが適用された場合には、統括拠点が集積し、国内マーケットが小さいシンガポールが税収を失う可能性があると述べた。ウォン財務相は、新たな課税ルールについて国際的なコンセンサスに達した場合には、(1)国際基準に順守した上で、(2)自国の課税権を守り、(3)企業にとっても法令順守の負担を軽減するよう努力する方針を示した。その上で、同財務相は「税制改革への最善の対応は、国家全体の競争力を向上していくことにある」と語った。同財務相は、税制だけが投資判断の決定的な要素ではなく、「良質なインフラや、コネクティビティーの良さ、熟練人材の豊富さ、法に基づく企業よりの経営環境がより重要だ」と強調した。

財務省によると、同国の法人税収は2010賦課年度に102億シンガポール・ドル(約8,364億円、Sドル、1Sドル=約82円)だったのが、2019年賦課年度に163億Sドルに増加した。2019賦課年度の全体の法人税の実行税率は、税額控除や払い戻しなどにより平均2.7%だった。

(本田智津絵)

(シンガポール)

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