大連市がデジタルエネルギー産業基地を建設へ

(中国)

大連発

2021年07月14日

中国の大連市政府は7月8日、華為数字能源技術(注1)と中国華録集団(注2)との間で戦略的提携を行う協議書に署名した。大連市はデジタル技術の活用による低炭素化社会の変革を推進することを目標に、デジタル化推進により企業のイノベーション活性化、スマート製造の産業チェーン構築を目指す。

今回のプロジェクトでは、市政府と華為数字、中国華録の3者が「デジタルエネルギー北方(大連)産業基地」の建設を協力して進める。大連市の金普新区内に指定されている遼寧自由貿易試験区大連エリアで、華為数字はクリーン発電やスマートグリッド、エネルギー貯蔵、グリーンICT(情報通信技術)インフラ設備などの分野でデジタル技術を活用・応用する。中国華録はデータ保存やデータ分析などによる総合的なソリューションを通じて、デジタルエネルギー戦略における新興産業の創出に寄与する考えだ。

金普新区では半導体、燃料電池、リチウム電池材料などの分野でも重要なプロジェクトが多数計画されており、コアとなる企業を誘致してプラットフォームを構築する。同区には日系企業も多く進出し、プロジェクトの中心的役割を担うケースもある。今回のデジタルエネルギー産業基地建設では華為数字、中国華録の有力企業2社が中心となるが、低炭素社会、カーボンニュートラルの実現に向けたデジタル技術の応用は多岐にわたるため、今後、日系企業を含む関連企業にどのように波及するかが注目される。

(注1)華為技術(ファーウェイ)が100%出資し、2021年6月に設立された企業。主な事業内容はオンラインによるエネルギー計量・観測技術、省エネルギー技術、エネルギー回収システムなどの研究開発。

(注2)大連に本部を置く国有企業。主な事業は音響・映像関連機器の製造と関連技術の開発。

(重岡純)

(中国)

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