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6月の米失業率5.9%に悪化、非農業部門雇用者数は85万人増

(米国)

ニューヨーク発

2021年07月06日

米国労働省が7月2日に発表した6月の失業率は5.9%(添付資料図、表1参照)と、市場予想(5.6%)を上回った。失業者数が前月から16万8,000人増加したことに加え、就業者数が前月から1万8,000人減少したことにより、失業率は前月の5.8%から0.1ポイント悪化した。非農業部門の雇用者数は85万人増で、こちらは市場予想(70万6,000人増)を上回り、5月の58万3,000人増から回復ペースが改善した。

失業者のうち、一時解雇を理由とする失業者数は前月(182万3,000人)より1万2,000人減少して181万1,000人、恒常的な失業者数は前月(323万4,000人)より4万7,000人減少して318万7,000人となり、両者ともにわずかながら減少した。

労働参加率(注)は前月と同じ61.6%だった。失業給付などの手当により職探しを行わない人が増えていることが最近指摘されているが、6月の労働力人口は前月から15万1,000人増加しており、労働市場に人が戻ってきていることがうかがえる。

平均時給は30.4ドル(5月:30.3ドル)と、前月比0.3%増(5月:0.4%増)、前年同月比3.6%増(5月:1.9%増)となり(添付資料表1参照)、前月比の伸びは鈍化したが、前年同月比では伸びが増加している。

6月の非農業部門の雇用者数の前月差は85万人増と、前月(58万3,000人増)より増加した。5月から6月にかけての雇用増減の内訳をみると、民間部門は66万2,000人増で、そのうち財部門で2万人、うち製造業で1万5,000人増加した一方で、建設業では7,000人減少と3カ月連続の減少になっている。サービス部門は64万2,000人増で、幅広い業種で堅調な回復がみられた。特に娯楽・接客業が34万3,000人増と3カ月連続で30万人超の増加となったほか、小売業も6万7,000人増と前月の2万7,000人増から回復ペースが改善している。政府部門も、18万8,000人増と4カ月連続で増加し、前月の6万7,000人増からさらに大きく増加している(添付資料表2参照)。

堅調な増加が確認できた雇用統計だが、回復は十分とは言い難い。2020年3月と4月に非農業部門では2,200万人強の雇用が失われたが、2020年5月以降に回復した雇用は1,600万人弱にとどまり、パンデミック前と比べればいまだ700万人近くの雇用が回復していないことになる。加えて、人種間での雇用の回復の差も顕著だ。6月の失業率は、白人5.2%、アジア系5.8%なのに対して、ヒスパニック・ラテン系は7.4%、黒人は9.2%と相対的に高くなっている。

一方で、雇用のさらなる回復を期待できる要素もある。前述のとおり、手厚い失業給付などの手当により職探しを行わない人が増えているという指摘があるが、この失業給付金は9月に期限を迎えることに加え、こうした指摘に反応して独自に6~7月の早期に失業給付金の支給を取りやめる州も出てきている。また、経済活動は再開してきたものの、都市部を中心に学校再開が行われておらず、子供の世話のために出勤できない人がいるといわれているが、ニューヨーク市では9月からはオンライン授業は実施されず、対面授業を再開するとしている。9月前後から始まる新学期では、その他の都市部の多くの学校でも対面授業が再開される見込みで、主婦層中心に再び働きに出ることが期待される。

物価を中心に多くの経済指標が大きな改善をみせる中で、雇用統計は相対的に改善のペースが鈍い。連邦準備制度理事会(FRB)は雇用の安定を政策目標の1つとしており、金融政策に直結することから、今後の雇用の回復度合いが注目される。

(注)労働参加率は、生産年齢人口(16歳以上の人口)に占める労働力人口(就業者+失業者)の割合。

(宮野慶太)

(米国)

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