広東省、新エネルギー発電システム構築のアクションプランを制定

(中国)

広州発

2021年07月02日

中国南部への送・配電を行う南方電網(広東)は6月16日、「新型電力システムを構築するためのアクションプラン」を発表した。同社は、広東省で新エネルギー発電システムを構築し、国家目標である2060年のカーボンニュートラル達成を目指す。

同方案では、「西電東送(注)」の持続可能な発展の推進、安定的かつ先進的な配電網の構築、デジタル技術を駆使した新型電力システムの強化、グリーン発電を核とする新型電力システムの構築、電力調達の最適化、電力企業の炭素排出量削減を掲げる。

南方電網(広東)によれば、2021年5月の広東省の電力使用量は前年同月比21.2%増の762億2,500万キロワット(kW)と大幅増になった。原因は、第二次産業、第三次産業の電力使用量の増加や高温日が継続したため、と説明した。

国家統計局の発表によると、広東省における2021年5月の総発電量は前年同月比22.6%増の598億8,000万kWで、内訳は、火力発電462億2,000万kW、水力発電13億9,000万kW、原子力発電97億1,000万kW、風力発電7億4,000万kW、太陽光発電4万2,194kWと、風力や太陽光発電の比率は極めて限られている。

南方電網によると、広東省では台風などの極端な天気が多発するため、風力、太陽光発電は電力供給保障において課題があるという。南方地域(広東省、雲南省、貴州省、広西チワン族自治区、海南省)では、新エネルギー発電の比率は低レベルにとどまっており、今後、基礎研究と管理能力を強化する必要があるとしている。

(注)東部沿岸地域の電力不足を解消するため、水や石炭資源の豊富な中国西部で発電された電力を華北、華東、華南の3つのルートを用いて東部沿岸地域に送電する計画。

(梁梓園)

(中国)

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