政府が新たな新型コロナ対策の規制強化策を公表

(タイ)

バンコク発

2021年07月12日

タイ政府の新型コロナウイルス状況管理センター(CCSA)は7月10日、非常事態令第9条に基づく新たな措置(決定第27号)を公表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。同日付の官報で公示し12日に発効した。規制強化の理由について、首都圏や南部4県を中心とした感染拡大の深刻化による医療体制の逼迫、変異株による感染例の増加などを挙げ、人の移動や対人関係の抑制・制限を目的とした措置を講じ、非常事態を迅速に解決する必要があるとしている。規制対象の期間は少なくとも14日間。

決定第27号の主なポイントは以下のとおり。

1.管理区域の再指定外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます:特に感染拡大が懸念される10都県(バンコク、ナコンパトム、ノンタブリ、パトゥムタニー、サムットプラカーン、サムットサコン、ナラティワート、パッタニー、ヤラー、ソンクラー)を最高厳格管理区域(ダークレッドゾーン)に再指定。

2.夜間外出の禁止:最高厳格管理区域の居住者は、少なくとも14日間、夜間(午後9時~翌日午前4時)の外出を禁止する(医療関係者、輸送事業者、公共サービス従事者など一部の者を除く)。

3.在宅勤務の要請:首都圏(バンコク都とその周辺5県)に所在する公的機関と民間企業は、感染リスクを減らすため、職場で働く人員を最小限にするなど、最大限の対策を実施することを要請する。

4.首都圏に対する規制強化

  • 百貨店の施設内、独立店舗、屋台など飲食物を販売する施設は、午後8時まで営業可。ただし、店内飲食は禁止。持ち帰りのみ可。
  • 百貨店やショッピングモールなどは閉鎖。ただし、施設内の生活必需品、医薬品販売店、スーパーマーケット、銀行・金融機関・証券、通信、郵便、修理または保守サービス、ワクチン接種会場など一部の店舗などに限り、午後8時まで営業を認める。
  • コンビニエンスストア、ナイトマーケット、公園、屋外運動施設などは午後8時まで営業可。なお、コンビニエンスストアは、午後8時から翌日午前4時まで営業不可。
  • タイ式マッサージ、スパ、エステティック施設などは閉鎖。美容院、理容施設などは当局の定める感染防止措置を講じた上で営業可。
  • 原則5人を超える集会の禁止。

5.公共交通機関

  • 午後9時から翌日午前4時まで、運行時間・本数などを縮小する。

6.県境移動

  • 不要不急の県境移動については、自粛を求める。

また、バンコク首都庁(BMA)も10日、閉鎖指令第36号を公表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますし、決定第27号にならった措置を講じることとした。

(岡本泰、ナオルンロート・ジラッパパー)

(タイ)

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