カザフスタン南部で中央アジア最大級の風力発電所が完工

(カザフスタン、中国)

タシケント発

2021年07月02日

カザフスタン南部のジャンブル州ジャナタス市近郊に、中央アジア最大級の風力発電所ジャナタス・ウインドパワープラントが6月20日完工した。同発電所の最大発電出力は100メガワット(MW)で、233.5ヘクタールの敷地に重量300トン、高さ150メートル、発電量2.5MWの中国製風力発電ユニットが40基設置されている。年間発電量は3億5,000万キロワット(kW)で、100万世帯の電力需要を満たす。この発電量は、火力発電に換算すれば石炭燃料11万トン分に相当し、温室効果ガスと大気汚染の原因となる二酸化硫黄1,031トン、窒素酸化物934トン、二酸化炭素28万9,000トン、石炭灰3万2,900トンが削減されることになる(プロフィットKZ 6月24日)。

同発電所プロジェクトの総投資額は推定1億6,000万ドル。カザフスタンの投資会社ビソル・インターナショナルと中国電力国際発展が共同出資している。資金の70%は、欧州復興開発銀行(EBRD)、アジアインフラ投資銀行(AIIB)、中国工商銀行、緑の気候基金(GCF)からの融資を受けている。発電所の稼働は、カザフスタン南部の電力不足の解消と地元のリン関連産業の発展にも寄与すると期待されている(インビジネスKZ 6月19日)。

カザフスタン政府は、持続可能な開発・発展を実現するグリーン経済への移行を目指し、国内総消費電力に占める自然エネルギーによる発電の割合を、2025年までに6%、2030年までに10%、2050年までに50%まで引き上げる目標を掲げている。

(増島繁延)

(カザフスタン、中国)

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