4~6月の自動車販売は回復基調も、先行き不透明

(インド)

ベンガルール発

2021年07月21日

インド自動車工業会(SIAM)は7月14日、6月の自動車統計(出荷ベース)を発表した。前年は4月、5月に全国規模の厳格なロックダウンが行われた影響が大きかった反動で、2021年4~6月期(2021年度第1四半期)の販売台数は、乗用車販売〔多目的車(UV)とバンを含む〕が、前年同期比4.2倍の64万6,272台と大きく増加(添付資料表1参照)、タイプ別でみても、一般乗用車、多目的車、バンのいずれも4倍以上の増加となった。

しか、2021年の4~6月期は、まさに新型コロナウイルス感染拡大第2波と重なったため、各州レベルで行われたロックダウンをはじめとする活動規制が、生産、流通、販売に再び大きな影響を与えた結果となっている。SIAMは「各社は段階的に操業を再開しているところで、世界的な材料価格の高騰、半導体不足、また新型コロナウイルス感染の第3波の懸念など、今後の事業環境改善は不確実。2021年度第1四半期の販売は、昨年の実績を除けば、乗用車部門は過去7年間で最低、商用車部門、二輪車部門は過去12年間で最低、三輪車部門は過去20年以上で最低のレベル」としている。なお、2019年4~6月の実績と比較すると、乗用車販売は9.3%減だ(添付資料表1参照)。

2021年6月単月のメーカー別乗用車販売台数をみると(添付資料表2参照)、主要メーカー12社のうち、シュコダ・オートを除き、全社が前年同月比で大きく増加、首位のマルチ・スズキは2.4倍の12万4,280台、シェアは53.7%と過半を取り戻した。韓国の現代は、89.9%増の4万496台、起亜は2.1倍の1万5,015台となった。また、日系メーカーでは、トヨタ・キルロスカが2.3倍の8,798台、ホンダが3.4倍の4,767台、日産が6.1倍の3,503台だった。車種別の販売台数上位は、スズキの「スウィフト」「ワゴンR」「セレリオ」などコンパクトモデル(計6万8,849台)、同社ミニモデルの「アルト」「エスプレッソ」(計1万7,439台)、現代の「オーラ」「i20」、「i10」などのコンパクトモデル(計2万285台)だった。

2021年4~6月期の二輪車販売台数は240万3,591台、前年同期比85.7%増で、2019年同期比では52.1%減少となった。また、6月単月の二輪車販売台数は、前年同月比で4.0%増とわずかに増加した。主要部門のオートバイは前年同月比10.3%増の77万7,100台、スクーターは10.4%減の24万1,689台だった(添付資料表1、表3参照)。

乗用車、二輪車、三輪車の6月単月における販売総数は、前年同月比14.7%増の129万6,807台となった。また、商用車も加えた4~6月期の販売総数は、前年同期比2.1倍の318万39台となったが、2019年同期比では47.7%減と落ち込んでいる。

(鈴木隆史)

(インド)

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